第8回 周波数帯が変更された「国際標準IEEE 802.11a」
今日は周波数帯に変更があった「国際標準IEEE 802.11a」について解説しよう。
あ、確か従来日本で使われていた無線LAN電波の周波数帯が広がったんですよね。
ただ拡張されただけでなく、国際的に標準であった周波数帯にずらされたんだ。これに合わせて、従来の5.2GHz周波数帯を「J52(4チャネル)」、新しい周波数帯は5.2GHz帯を「W52(4チャネル)」、5.3GHz帯を「W53(4チャネル)」という便宜的なタイプに分けるようになった。
全部で8チャネルも使えるなんて、かなり便利になったんですね!
ところが、W53の電波には、きびしい使用制限があるんだ。
なぜですか?
同じ周波数帯を利用する気象衛星や航空機に影響があるので、それらのジャマをしないように使わなくてはならないという決まりがあるのさ。例えば、無線LAN危機をW53を利用するように設定して電源を入れると、1分間は電波をまったく出すことができない。
えぇっ? つまり、最初の1分間はどこにも接続できないってことですか?
そのとおり。さらに、電波を待ち受けることはできるが、自分から電波を積極的に出すことはできない。パッシブスキャンモードしか利用できないんだ。無線LAN利用への影響を考えると、アドホックモードは利用できないってことになる。
なるほど。きびしいですね。
ただし、W52のほうにはそのような制限はなく、対応機器であれば従来どおりに利用できる。
つまり、これまでとあまり変わらないと考えてよいのでしょうか。従来機器のままでもよいのかな。
どうしてもW52が電波干渉を起こすような場合に、W53を利用できるというのは十分なメリットだよ。従来のJ52対応機器も、バージョンアップしてW52を利用できるようになる場合があるから、最新機器との接続性も確保される。従来機器を利用している人も、あわてて買い換える必要はないと言っておこう。ただ、どちらにせよ新規格に移行していくのは確かだから、これから導入を考えている人は新規格対応機器のほうがよいだろうな。
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