第25回 ワイヤレスメッシュネットワーク「IEEE 802.11s」
今回は、「IEEE 802.11s」について解説しよう。
802.11ってことは、無線LANの規格ですよね? でも11sって聞いたことないな。
802.11sは、無線LANアクセスポイントでメッシュ型のネットワークを構成するための規格だ。移動型通信機器、つまりノードも含めた標準規格で、2006年半ばには仕様の大筋が決まると見られている。
無線LANをメッシュ型にするとどんな利点があるんですか?
複数のアクセスポイントを連結させて通信できるので、個々の通信距離を短くできる。そして、必要なときにのみ必要な通信を実行するだけでよいので、省電力化が実現する。また、1つのアクセスポイントに通信が集中することを避けられるので、負荷分散としての機能も果たすわけだ。複数の経路を設定できるので、信頼性も向上する。
無線LANって、ふつう1つのアクセスポイントに通信が集中しますし、オフィスなどでは近い席と遠い席ができるので電波強度の調整がむずかしいんですよね。いいことずくめじゃないですか。
そうだな。無線LANだけでネットワークを組むことができるので、レイアウトの柔軟性が高まる。仕様が確定して製品化されるまでには時間が必要だから、早いとこ標準化してもらいたいもんだ。
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