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姉と不仲 母の法事やるべきか60歳代男性。妻も60歳代です。今年は私の母の十三回忌。法事のことで悩んでいます。 亡くなった母と妻はそりが合わず、よく衝突していました。当時の妻の態度は許せませんでした。しかし母の入院後、妻は献身的に看病しました。私は感謝し、すべてを許しました。 ところが、母の死後、妻は私の姉から「結婚前、一緒になりたい男性が別にいたでしょう。すべて知っている」などと言われたのです。かつて、母が、妻の態度の悪さをこぼしていたことがあり、妻はよい印象を持たれていません。妻の心情を思い、私はきょうだいと縁を切りました。 ただ、十三回忌の今年、妻はどうしても供養がしたいと言います。私は反対しましたが、妻は参加の有無を問うはがきを親類に出しました。姉あてのはがきは戻ってきてしまいました。無言の不参加表明のようです。この法事をどうすべきか悩んでいます。私は妻がいないと生きていけません。(大阪・Y男)
◇ 結婚前の妻に一緒になりたい人がいたということですが、結婚前のことならば、そんなことを問題にすること自体がおかしいです。あなたが問題にしていないのに、あなたの姉が妻への攻撃にそんな昔のことを使うのは、卑劣であるといってよいでしょう。あなたの年齢からいって、約40年も前のことですね。 妻とあなたの母の関係はうまくいかず、その点で妻に許せないものがあったとのことです。しかし、母が入院した時に妻が献身的に世話をする姿を見て、あなたはすべてを許しました。まわりがどんなに騒いでも、あなたの決意を貫いてください。ましてあなたの人生は妻がいないと過ごせないのです。一番に妻を大切にしてください。 あなたがしなくてもいいと思う親の法事を、妻が積極的にしようとしているのは、ありがたいことです。無言で不参加の意思表示をしてくる人たちに煩わされず、最終的には二人でやればいいのです。法事に大切なのは、参加人数の多い少ないではなく、今を生きている人の気持ちです。 (立松 和平・作 家)
(2008年3月6日 読売新聞)
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