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2006年5月6日

ゴールデンウイーク考

 ゴールデンウイークとは何ぞや。

 ま、もともと読売新聞に入社した時から、ほとんど関係ないんです。新聞がお休みになるのは休刊日だけだし、人が海や山に繰り出す時は、事件事故も多発しますからね。それでも、記者として、ですと、祭日は夕刊がないし、役所もお休み体制に入るし、で、朝がゆっくりになったり、役所に行く必要がなかったりと、多少はお休み気分を味わうことができます。担当する政治家が外遊(それも同行の必要がない)などに行ってしまえばしめたもの(笑)。そういう日程はぎりぎりに決まるので、旅行などはとても無理ですが、だらだら朝寝を楽しんだり、買い物に行ったりと、それなりの黄金週間を楽しむことができます。

 それにひきかえ、テレビの仕事に切れ目がないこと!連休だから特別番組を放送、なんてことは滅多にありません。普通に、祭日でも、番組があるのです。「donna」など、読売の夕刊を紹介する番組なのに、夕刊がない日も放送があるものですから、かえって一週間前くらいから仕込みに大騒ぎ。一抱えもある古い新聞をひっくり返すなどして、ネタ探しに原稿書き、とばたばたします。おまけに、新聞のコラムや当欄など、締め切り日が軒並み前倒しになるので、かえっていつもよりばたばたする。さらに、今回、原稿を書くためにはネタが必要というわけで、取材もかぱかぱ入れてしまいましたから、フル回転でございます。もっとも、取材で「仕事中」の人と話をしていると、「お互いゴールデンウイークなんて関係ありませんよね」という妙な連帯感が湧いてきて、和みます(笑)。タクシーに乗って運転手さんと話をしている時も、「連休、関係ないっすよね」みたいな会話が弾みます。反対に、NHKニュースの「出国ラッシュ」ニュースで「ベトナムに10日間」とか「ハワイに行きます」なんて話を聞くと、殺意がわくもんなあ(苦笑)。

 というわけで、連休らしいことが何もできないまま、今年の連休ももう終わりに近い。やったことと言えば、読書くらいですか。あとは、芝居を見に行ったのと(でも、これ、いつも行ってるしなあ)、ジムに行ったのと…。でも、ジムのロッカーで、突然コラムの原稿の直しが頭に浮かび、床に這いつくばって原稿書いてたりするから、たいしてお休みっぽくありませんねえ。(余談ですが、こういうのって多分「危ない人」に見えているんでしょうね。私は以前、やはりジムのロッカーで裸になった瞬間に原稿の問い合わせを受け、「宮沢元首相は…」とか「中曽根さんは出てませんよ」とか答えていて、「これって端から見たら、誇大妄想狂の危ない人だわなあ」と思ったことがあります)

 休みらしい娯楽としては、夫と食事に出かけて、日本人離れした大酒くらって、レストランのソムリエに名刺を渡されたことくらいでしょうか(笑)。またぜひお越しくださいって(笑)。でも、イタリア人並みに飲み食いして、美容と健康にはあんまりよくなかったような・・・。

 しかし、それほど連休の恩恵に浴していないにもかかわらず、やはり連休が終わるのは、なんか寂しい。たとえ自分は働いていても、世の中の流れがゆっくりしているというだけで、なんとなく気分がいつもより穏やかでいられるんですよね。心なしか、空気もきれいな気もするし。これで月曜には元の生活が戻ってくるか、と思うと、余計どっと疲れる気がする私だったりします。

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