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秋篠宮さま誕生日会見詳報(1)
――両殿下にお伺いします。悠仁さまは健やかに成長され、9月のお誕生日には伝い歩きをされているなどといった近況をうかがいました。 ご回答秋篠宮さま 9月の6日に満1歳になったわけですけれども、そのころは、こういう机とか、そういう物に捕まって伝い歩きという感じだったんですけれども、それからしばらくたって今はまあ数歩ぐらいでしょうか、(紀子さまを振り向かれて)数歩ぐらいだね、一人で歩くようになりましたね。いろいろ行動範囲も広くなっているわけですけれども、例えば明かりがつく物とかですね。それから音が出る物とか、そういう物に興味があるみたいです。例えば目覚まし時計の、押すとこう声が出るのがありますね。そういう物とか、あと玄関のチャイムとかですね。そういうのに関心があるようです。またその上の二人の子どもたちにとっては、やはり非常にかわいい存在なんだと思いますね、大分年齢も離れていますのでね。ですからとてもかわいがっています。子どもの部屋に、あれは何て言うんでしょうね、厚紙って言うか、ああいう物を組み立てて作る小さい家があるんですね。それは基本的に無地なんですけれども、そこに上の二人の子どもが家族全員の似顔絵を描いたりとか、それからそのほか何かもろもろ…。 紀子さま たとえば花とか。 秋篠宮さま あ、そうね。そういう絵を描いたりとかして、そこで一緒に遊ぶとか、あとはさっき音が出る物が好きと言いましたけれども、ピアノの鍵盤なんかやはりいじってみたいわけですね。ところが背伸びしてもなかなかまだ届かない。だけど一所懸命たたこうとしているといすに座らせてたたかせたりとか、そんな様子でしょうかね。 紀子さま 最近の様子についてですけれども、悠仁は目を輝かせながら周囲を見まわして小さな探検家のように関心を抱く物に手を伸ばして、そして確かめようとかわいい指でさわったり、また関心の対象に向かって勢いよく進んで行ったりするなど、先ほど宮さまがお話しされましたけれども、段々行動半径が広がってますます目が離せなくなっております。幸い娘たちも大きいものですから、随分その点では助けてもらうところがございます。 秋篠宮さま 手をたたいたりもしているわね。よくね、拍手する(紀子さまに)。 紀子さま (うなずかれながら)拍手。何回でもしていますね。部屋では先ほど宮さまが話されました厚紙で作られた本当に小さい子ども向けの家の中で遊ぶことやその中で隠れんぼをしたり、あとは「いないいないばあ」など一緒にする遊びや、一人で静かにはめ込み箱でしょうか、こういう異なった大きさの箱が重なっている物を取り出したりまた戻したり、積み木を重ねたり崩したりすることなどもするようになってきました。 ――両殿下にお伺いします。両殿下の育児の方針についても、お聞かせください。 ご回答秋篠宮さま 私としましては、今一番は元気に健やかに育ってくれるということを願っているわけですから、できるだけそのようにできるような環境を整えたいと、そういうふうに思っております。 紀子さま 娘たちのときと同じように、宮さまと相談をしながら、悠仁が心を豊かに育み、元気に安心して生活できるように心がけてまいりたいと思います。 ――両殿下にお伺いします。皇后さまは10月のお誕生日に寄せられた文書の中で、お孫さま同士のほほえましい交流について、つづられました。 ご回答秋篠宮さま 例えば、休日とかに散歩をしていたりしますと、皇太子家もちょうど散策中であったり、またテニスをされていることもあると思いますし、そういう所で時々会っていろいろ話をしたりしますけれども、一つ印象に残っているのは、この夏でしょうか、夏でしたね。こちらの家の方に皇太子同妃両殿下と愛子内親王とが遊びに来られて、何て言いましょうか、年齢的にどちらかというと近い二番目の娘が特にそうなんですけれども、愛子内親王と遊んだりそういう触れ合う機会を楽しみにしているんですね。それでそのときは大変暑い日でしたけれども、子どもたちが三人でかなりの長時間、屋外で楽しそうに走り回っていた。それがとても印象に残っております。 紀子さま 幼稚園がお休みのときで、また学校が休みのとき、今、宮さまがお話しされましたように、ご都合のよろしいときに皇太子同妃両殿下、そして敬宮さまがご一緒に宮邸へいらっしゃいます。敬宮さまは年齢の近い佳子、それから眞子と動物のぬいぐるみやおもちゃなどで遊び、そばでは悠仁がうれしそうにすごしております。 秋篠宮さま そこから愛子内親王も自分より小さい悠仁のことをね。すごく、なんていうのかな。あれは、ね(紀子さまに)。 紀子さま (殿下にうなずかれ)何となくそばにいらしてくださって。 秋篠宮さま (紀子さまをごらんになって)そう。そういう感じがありますね。 紀子さま はい。お心遣いしてくださるようなところがございまして。 ――両殿下にお伺いしますが、両陛下とご一緒されるときのご様子についてもお聞かせください。 ご回答秋篠宮さま 時々御所に家族皆で行くわけですけれども、両陛下と子どもたちの会話を聞いていると、やはりそれぞれの関心事とか、年齢に合った話題というのが多いように思います。それは旅行のことであったり、それから趣味のことであったり、学校のこともあるように思います。それでまた、それに関していろいろな話をしてくださるわけなんですけれども、私など思いますに、子どもたちと私たちというのは一つの単位でいるわけですけれども、もう一つ前の世代と触れるということは、娘たちにとってもそれだけより多くのことを知る機会になっているように思います。親が経験してないけれども、もう一つ前の両陛下の世代が経験したことを話していただけるわけですね。特に長女へは、そういう自分たちが経験したことを知ってもらいたいというお気持ちが強いように私は思います。あれは数年前でしたでしょうか。那須の御用邸に行ったときに、両陛下が満蒙開拓に行った人たちが戻ってきて、那須の原野を切り開いて、そこに千振の開拓地を造っておられた所を視察されたんですけど、そのときに上の娘も一緒に連れて行っていただいたんですね、私も行きましたけれども。そういうこともやはり先ほどお話ししたような、親よりも一つ前の世代の経験というのを知らせておきたいというお気持ちからだったのではないかというふうに私は思います。悠仁については、まだ何っていう年齢でもないわけで、御所に連れて行くとニコニコしたり、でも何かを話したそうな素振りをしている、という感じだと思います。 紀子さま 子どもたちが小さいときのことをふり返ることになりますけれども、眞子と佳子は幼いときから御所へ参内させていただきましたおりに、両陛下は優しい笑顔でいつもお迎えくださいました。幼い娘たちは、うれしそうに両陛下にかけ寄り、ご一緒にお庭を散策したり、またお部屋ではご用意くださいました絵本やおもちゃで楽しく遊ばせていただきました。小さい悠仁も娘たちと同じように、お日さまが照らすようなあたたかさの中で、楽しく過ごさせていただいております。 秋篠宮さま 安心できる場所という感じはありますね(紀子さまに振り向かれて)。 紀子さま ほっとするような…(殿下をごらんになって)。 秋篠宮さま ほっとするような場所だと思います。 紀子さま 娘たちは、今は高校生、中学生になりまして、おもちゃで遊ぶようなことは非常に少なくなってまいりましたが、それに代わって先ほど宮さまがお話をされましたことと重なりますが、両陛下より歴史、文化や自然など、また時代時代の人々が経験してきた苦労、困難や喜びなど、おりにふれて貴重なお話を静かに伺わせていただき、また多くのことを学ばせていただく機会に恵まれております。娘たちからは、自分たちが関心を持っていることをお話し申し上げますと、ほほえみながらお聞きくださり、またその関心に関係のある資料、たとえば本などもその後でお見せくださいます。そのほかに学校の生活、たとえば学校の行事ですとにぎやかな運動会や文化祭について子どもたちがいきいきとお伝え申し上げますと、きっと紀宮さまが中学、高校のときに過ごされていたことも思い出されることもおありでいらっしゃると思いますが、そのようなことも静かにお聞きくださり、このように子どもたちをお優しくお見守りくださいますことを深く感謝申し上げます。 秋篠宮さま あと最近はおもちゃじゃないですけれども、クロスワードパズルとか(紀子さまに)。 紀子さま 結構難しいので、時間をかけて(殿下に)。 秋篠宮さま そういうこともありますね。 紀子さま (うなずかれながら)ご一緒に楽しませていただくこともございます。 (2007年11月30日 読売新聞)
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