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福田首相、吉清さん方を訪問…謝罪し涙ぐむ

千葉県勝浦市の吉清さん親子の自宅を訪問し、帰り際に親族と握手する福田首相(左)

 福田首相は2日午前、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で行方不明になっている吉清(きちせい)治夫さん(58)と哲大(てつひろ)さん(23)親子の千葉県勝浦市の自宅を訪れ、親族に謝罪した。

 首相は「これからの人生があるのに、こういうことになって申し訳ない」と謝罪した。治夫さんのいとこの中ノ谷義敬さんが「二度とないようにしてもらいたい」と求めると、「今後こういうことがないように頑張る」と再発防止を誓った。中ノ谷さんは「捜索は早くやめてもらいたい。続けていると悲しみがまたわいてくるし、勝浦の漁師に今まで通りの漁をしてもらいたい」と告げたが、首相は当面、海自などの捜索を継続する意向を示した。

 親族との面会は約30分間に及び、首相は吉清さん親子の写真の前で手を合わせて涙ぐんだ。また、二人が出漁した時の話などを聞き、哲大さんに友達があてた寄せ書きも手に取った。

 面会後の玄関前で、中ノ谷さんは家族の思いをつづった手紙を首相に手渡した。さらに、「防衛相は絶対に負けずに一生懸命やってもらいたい。艦長もこういうことがあったのを胸に畳んで、下の人間に指導してもらいたい」と述べ、防衛相や艦長を辞任させず、原因究明や再発防止に取り組ませるよう強く求めた。首相は「わかりました。しっかり伝えます」とこたえた。

 中ノ谷さんはこの後、記者団に、「『一日も早く来たかったが、スケジュールの関係で来られなかった』と言われた。首相の気持ちが伝わり、きれいさっぱり納得した」と語った。

2008年3月3日01時37分  読売新聞)
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