脊椎魚介ざざむし
- ひらたく言えば魚とかそのへん。
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- ダイナンウミヘビ
釣り人から忌み嫌われている関東長物会の仕込小骨3幹部の一魚。
ちなみに仕込小骨3幹部とは
ウツボ (役職:ニシキヘビ)
クロアナゴ (役職:アナコンダ)
ダイナンウミヘビ (役職:リヴァイアサン)
である。
見た目から嫌われるだけでなく、こいつらはそれぞれに特徴のある殺人小骨を装備している。
どれも広くはウナギ目に属するので皮下に埋没骨を持つのだが、これがウナギのように細くて
無視できるものなら良いのだが、この3種近縁はどれも普通に加熱するだけでは
歯に当たり、舌に突き刺さり、喉を切り裂き、とてもまともに食える代物ではない。
しかし、揃いも揃ってこいつらはデカイ。
中でも今回の食材であるダイナンウミヘビは最大2mを超え、陸に上がってからの暴れっぷりも凄まじく、
魚類のくせに弾力ある鞭のような体でヘビに似た動きをし、首を落としてもしばらく暴れている様もまさにヘビ。
しかもウツボと同様に口の中には3列に鋭い歯が並ぶ。
真ん中に1列あるのがどうにも納得いかない不思議生物のひとつだ。
文句あんのかコラ
よく釣れるのは50cm〜1m程度のものだが、これがまた性質が悪い。
長さのわりに体は細く、且つ背骨が太く硬く、更に小骨が多いのだから始末に困る。
こいつ、薄く輪切りにして二度揚げしても背骨が異様に硬いのだ。
「大抵のものは揚げれば食える」と呟かれる素人の常識を覆される魚でもある。
そりゃぁ釣れても嫌われる訳だ。
当然、煮付けにしたって小骨も背骨も硬く鬱陶しいので、ロクな評価を見かけないのだが、
実はリヴァイアサンは圧力鍋に弱いので装備しておこう。良い子の豆知識だ。
アナコンダなどは対圧力鍋防御力が高いので圧力鍋を使ってもまるでダメージを与えられないが、
リヴァイアサンに関しては圧力鍋で40分〜1時間ほど自動戦闘にして茶ぁしばいてれば余裕である。
蚊取り線香
頭や背骨に至るまで水煮のサケ中骨やサバ缶と同じ程度の柔らかさになってしまう。
これなら誰でも快適に完食可能であろう。
見た目が悪いなどと我侭言うのであれば、赤にでも青にでも染めると良かろう。
-
- たま〜に巨大なのが釣れる。
177cm2kgちょい
長いにもほどがある!
この魚、ミミズのような体系は大型化してもそのままで、
尻尾の先に至るまで真円状で身が厚く、喰い出があった。
まぁ、持ち帰ったはいいが、まな板5枚も必要な長さで狭いキッチンに乗る訳もなく
5秒ほど途方に暮れたが、気付いたらブツ切りにして開かれていた。
- 小人さんありがとう
これで半分ちょい
ヘタクソなりに骨切りをしてみた。
こんなに巨大な個体でも小骨は細く、ウツボで40cm、クロアナゴで60cm程度と同等であろうか。
しかも3種の中では飛びぬけて筋肉質で、ヌメリの臭気もクロアナゴよりは断然薄いのは評価できる点だ。
ここまでできれば圧力鍋を装備しなくても勝ったも同然。
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- ☆春ダイナンの塩焼&照焼
生首で遊んでたら焼きすぎた。
照焼は美味いんだが、素材の持ち味はどちらかといえば隠された感じ。
その点、白焼きや塩焼きは素材の味がストレートに感じられ、油なんて1滴も使っていないのに
こんなに脂乗ってたのかと思うくらいに濃厚な脂が舌を覆い、香ばしい香りが鼻をくすぐる。
ほんとに脂が強いのでビールやチューハイなどの炭酸系が合う。
- むしろ何か呑んでないと脂当たりする感じ。
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- ☆海王の湯引き梅肉ソース添え
骨切りしたのなら、これやらなきゃ嘘でしょう。
プリプリモッチリでほのかな甘味があり、梅肉ソースによく合う。
調理法はハモのそのまんま。骨切り間隔は1.5〜2mmでも全く問題はなかった。
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- ☆腹身の酒蒸し葛餡がけ
内臓を覆う部分に限っては小骨が存在していないので骨切りが不要。
小型だとこんなことできないが、大型ならば腹身だけで2〜4人前は取れるので今回は結んで蒸し物に。
加熱前はペラペラだが、蒸しはじめるとみるみる膨らんで丸くなる。
- まるで小型が釣れた時に絡んで自滅している様を彷彿とさせる仕上がりだ。
皮のゼラチン質には脂も多く乗っており、肉の歯触りは存在感を誇示しつつも柔らかい。
- 湯引きからは想像し難い旨みある柔らかさ。
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- ☆もっちり天
腹身を揚げると蒸し物よりも遥かにモッチリ感が強くなる。
天麩羅にするには骨切りをした身でもよいが、それだとフワフワというかホクホクというか、むしろフワホクって感じ。
クセは全くなく、美味しい。塩でも天つゆでも可。
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- ☆海王丼
- 世紀末丼伝説
アラ部分はさすがに硬すぎるので出汁にするか、圧力鍋攻撃するかしかない。
今回は殆ど骨ばかりを圧力鍋を使って梅でアクセントつけて煮てみた。
骨までもしゃもしゃカルシウミー。
底上げして圧力をかけて蒸し、骨を柔らかくしてから他の料理に使用するのもテかもしれない。
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- ☆ダイナンチーズボール
- とろり
骨切りなんて面倒だから論外という声も聞こえそうな気がしたので、フードカッターですり身にしてみた。
- 吸物・揚げ物と試してみたが、どちらもニベやエソのような期待した歯切れは得られなかった。
- だが、骨切り不要でクセがないという意味では子供にも平気で食べられる食材と言える。
- モツァレラチーズを詰めて揚げてみたところ、歯切れが弱い分、バランスがとれてマァマァな感じ。
- ウナギやアナゴよりも開くのは楽なので、この調理ならば慣れない人にも案外楽にできるはず。
-
- しかしまぁ、改めてこうして食べてみても、一体この魚のどこが食えない代物だというのか。
- 魚に対する愛が足りないんじゃないの?
- 差別と偏見と怠惰はいかんよね。
記 2005.04.12
- ハダカイワシ
- 相模湾以南の深海で獲れる魚ってことだけど、もうちょっと北でも水揚げされる中にちょろちょろ混じってる。
- 昔、よく市場をうろついてた頃には10cm程度のハダカイワシが落ちていて、
- マンボウの切れ端とか、値のつかない雑魚を貰ったり拾ったりしてたものだけど
- この魚は水揚げされた時点で鱗も皮も全て剥げてしまっているので
- 鮮度もよくわからずとても不味そうで、持ち帰って食べる気になったことがなかった。
- 落ちていて拾ったはいいが、鮮度が良いにも関わらず食べずに捨てていたのはこの魚とキホウボウの仲間くらいな気がする。
- しかし、この魚を干物にして食べる地域があるのだ。
- 発光器は残ってる
- 高知県と三重県では、ハダカイワシを干物として扱し、春先から初夏がシーズンらしい。
- ハダカイワシという名は、見た目の通りの状態で水揚げされるからであるが、
- この干物の名もまた見た目通りで「ヤケド」と呼ばれる。
- ヤケドをファイヤーするとこうなる。
- てかてかふんわり
- 写真ではわかりにくいが、ものすごい脂の量。
- 深海魚なんてのはだいたい、水っぽくてゼラチン質か、脂ギトギトかどちらかのパターンが多い。
- こいつは脂の乗りがものすごく、焼きはじめると早々に脂が浮きはじめ、パチパチと音を立てる。
- 脂が多いゆえか瞬く間に焼き上がり、焼きたてを口に入れると
- フワリとした口当たりながらも程よく存在感のある肉質で、脂は意外にしつこくない。
- 顔はどことなくカタクチイワシに似ているが、味自体もカタクチの目刺しとマイワシを足したような感じで、
- 内臓の味も目刺しっぽく、意外性は少ないが、骨も頭も柔らかくほろ苦い内臓の味も加わってビールによく合う。
- 知名度からいけば珍味の類になるのだろうが、この魚、なによりも安く、万人向けな食味。
- いくら旨くても、いくら珍しくても、高価であればそれは当たり前な感じがして感動は半減するもの。
- 100g100円程度で買えてこの味、旅先で見かけたらビールのお供に買ってみてはどうだろうか。
-
- しかしこの魚、これだけ脂が乗っているなら生で食べたらどんな口当たりなんだろうか。
- さぞや口溶けの良い刺身になるのではないだろうか。
- 最初から剥けた状態で水揚げされるから、販売側として生食を勧めるのは衛生面で難しいのかもしれない。
- 今度遭遇したら是非生で口にしてみたいもの。
- だが最近は衛生面から、港や市場で魚を拾うのも保健所からの規制が入ってるとかいう話も聞くし、つまらない時代になったもので。
記 2005.04.02
- シビレエイ
- いままで自然界でシビレエイなんて見たことなかったのに、今季はやたらと目撃する。
- ついには何故かエギングで釣れてきてしまう始末。
- 電気を出すエイとして有名だが、50〜60Vってどのくらいなのか、いまいちピンとこない。
- つついてみても電気を出さないので、バケツに入れようと両手で持ち上げたら・・・
- バリッ!
- ゔお゙っ!!!
- 思わず叫んでしまった。
- 両手の平が半分ほど、ビリビリと余韻が残っている。
- ・・・・許さん・・・・許さんぞ・・・・・食っちゃる!
- 貴様の放電能力 オレ様が貰った!
- 目がすんごいラブリー
- ディスポ装着ッッ!!!!
- いくら電気を発しようがゴムゴムの能力の前に貴様は無力同然!
- ・・・・・・・皮剥きにくっ(´Д`;
- 逝ってもらって素手にしたら簡単に剥けた。
- 気味悪いかも
- 頭部両脇にそら豆状に存在している白っぽいところが発電器官だ。
- ゼリービーンズのような、巨大化させた蜂の卵のような、ぶよぶよしたものが垂直にビッシリと敷き詰められた様相だ。
- これのおかげで、随分と鰭が小さいことがわかる。
- この魚、理科の教材などで発電器の観察に使われる以外は全く利用されてないらしい。
- せっかくだから、この1匹でいくつか料理してみようと思う。
-
- ☆ショート荒井(洗い)
- せっかく鮮度がいいのだから、生で食べておかねばなるまいて。
- 左が鰭、右が発電器
見た目ゼリービーンズだが柔らかく、噛むと音もなく潰れてトロリとする感じで食感はたいしたものではない。
ただ、臭味どころか、生シロエビを食べてる時のような香りがし、舌に絡み、ほんのり甘味もある。
- 特筆すべきはこの甘味、魚の甘味というよりは、香り同様にエビに近い甘味なのだ。
鰭は軟骨を切る方向に削ぎ切りにして同様に洗いで食べたが、こっちは歯ごたえ良好。
臭味もなく、食べ易いが、こちらにはエビのような甘味は殆ど感じない。
発電器官に歯ごたえがあれば言うことなかったんだがなぁ。
逆に言えば、味はあっても歯触りが邪魔にならないので、うまく他の食材と組み合わせれば面白い料理ができる気がする。
-
- ひとまず、今回は煮る・揚げる・焼くの3通りでも食べてみよう。
- 左から時計回りに
- ☆サンダー焼き(さんが焼き)
普通のさんが焼きの味噌を減らし、コチュジャンを加えてピリ辛なさんが焼きにしてみた。
軟骨もよく叩いてタップリ混ぜてあるのでコリコリしていてなかなか良い。
☆電麩羅&プラズマブレイド(天麩羅&唐揚げ)
発電器官と尾部の半身は天麩羅に、胸鰭1枚を唐揚げにしてみた。
エイヒレの唐揚げはお約束的だが、やはり小さなエイの鰭は唐揚げで美味しい。
揚げても普通の筋肉部分はふわりとしていて柔らかい口当たり。
問題の発電器官だが、衣がカラッとしてるのに、口に入ると中身が一瞬で溶ける。
まるで脂でできているかのようだ。脂なのか?
揚げてしまうと、生の時のようなエビっぽい甘味がなくなってしまうようだ。
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- ☆ライトニングゼリー(煮凝り)
煮付けた後、冷めても全然身が堅くならない。
皮に鱗の存在を感じないので、ゼラチンたっぷりっぽい皮も一緒に煮込み、冷やして煮凝りにしてみた。
臭味もなく、美味しい煮凝りになった。
鰭は軟骨がコリコリと心地良く、身は柔らかくほぐれ、いっぱい入れた発電器官は随分縮んだが、口の中では脆く溶けるように潰れる。
皮は味がよく染み、モチモチした食感になるが、やはり発電器官は過熱すると風味が消える。
-
- 〜総評〜
- 実験材料にしか使われないというのは、漁獲量の少なさと、見た目の悪さと、手軽に食べられる過食部の少なさと、電気を出すという、
- これだけ条件が揃ってしまえば、普通は流通しないというのが容易に納得いった。
- しかし、実際には全くクセがなく、ちゃんと適した料理法ならばもっと美味しく食べられることが今回の限りでも想像できる結果に。
- さほど大きくならないし、軟骨魚類なので殆どの部分を食べることができる。
- まぁ、あえて食べるために、というよりは、飼育するために捕獲したいなぁ、と個人的には思ってしまうのだが。
- 少なくとも、大型化しすぎたアカエイなんかよりはずっと味わい深く食べられる気がします。
- 発電器官以外は小型カスペの感覚で。
記 2003.05.09
- ゴンズイ
- ナマズの一種で海に棲み、第一背鰭と両胸鰭の棘条計3本が毒刺になっている。
厳密には毒刺といってよいのか迷う構造なのだが、ここでは割愛する。
刺されると激痛を伴って腫れ上がり、その程度や体質により呼吸が苦しくなったりもする。
死者も出たことがあるそうだ。
- これで50匹4kg弱。あっという間にこんな数。
ニョロリな見た目、ぬるぬる、しかも毒。そんなこんなで釣り人には嫌われ、釣れても捨てられたり放置されることが多い。
しかし、実際には昔から食用とされている地域も多い魚なのだから偏見はよくない。時には市場にも流れたりするそうだ。
- この毒は熱分解性なので加熱すれば問題ない。(ただし、毒刺が刺さらなくても傷ついた手で扱うと毒が侵入する)
今回はそんな釣り人の嫌われ者であるゴンズイの汚名を晴らすべく、その真価の一部を記すことにする。
- 私達にとっては当たり前の食材のひとつだ。
@まず、調理前の注意点が2つある。
・毒刺の処理。
慣れれば持ち帰ってからでも良いが、事故を防ぐためには釣り場で処理することを薦める。
鈎からはずす前に、ぶら下げたままハサミで3本の刺を切る。握力の弱い方は爪切りでもいいだろう。
切った刺はそのへんに散らかしておくと危険なので早急にゴミ袋か海へ。
・鮮度が落ちないうちに内蔵を取り除くこと。
やたらと内蔵が臭いだすのが早いので、身に移らないように早急に内蔵を捨てること。できれば生きてるうちに。
釣り場で刺をとった後に鈎をはずし、そのハサミで頭の付け根を背中から背骨まで一気にチョキンと切り、
折るようにして引っ張ると腎臓と卵巣以外が一気に全部抜けるので、こうしてから持ち帰ると鮮度も保てるし、後処理が楽だ。
以上2つさえ忘れなければ、大抵の料理には使える有用魚だと思う。
@より美味しく頂くための豆知識
・ゴンズイは冬が旬である
脂の乗りが全然違うので、どうせ食べるなら冬がオススメだ。
・棲んでいる水質により味に差が出る
ゴンズイには予想以上に脂が多く、脂が多いということはダイオキシンなどを蓄積しやすいとも捉えられるのだが
そういう関係もあってか、綺麗な水域のゴンズイは臭味もなく美味なのだが、汚れた水域のものは臭味がある。
これはナマズにも同様に顕著に感じるのだが、臭味の強い場所にいる魚はあまり食べないほうがいいのかもしれない。
・卵は不味い
一見、蜜柑の房のように鮮やかな黄色の美味しそうな卵なのだが、いまのところどうやっても不味い。
まるでキャラメルの失敗作とでも言おうか、ボソボソ感が強いくせに、くちゃりと歯にくっつく。捨てていい。
・ヌメリをとる
おろしたゴンズイはまとめて多めに塩をふり、手でかき混ぜるように揉んでヌメリをとると仕上がりがいい。
-
- @実際に料理してみよう
- ☆塩焼き・味噌汁・蒲焼・煮付け・天麩羅・フライ・骨煎餅
- 蒲焼(身が薄すぎて竹串では太すぎる)
ゴンズイの定番料理。
基本的にはナマズと同じ味だと思ってもらって差し支えない。
・天麩羅は3枚におろしてから。風味もフワフワな食感もナマズそのものだ。
・味噌汁にするととても旨味のある味噌汁になるが、身から出汁が抜けてしまうので身の旨味は落ちる。
・蒲焼はナマズ同様サッパリしてるのでウナギと好みが分れるところなのだが、いかんせん小さいので淡白さが引き立ってタレが勝ちすぎる。
よほど大きいのが釣れない限りはあまりオススメしない。最低25cmかな。
・煮付けは醤油ベースでも味噌ベースでも良いが、煮る前に両面を乾く程度に焼いておくと風味もよく仕上がり、鰭も美味しく食べられる。
☆キムチ鍋・干物・燻製
- 干物・燻製
定番料理から脱しようとやってみたもの。
・キムチ鍋やチゲ鍋は簡単だし、魚の風味が苦手な方にはオススメだろう。
釣り場でも簡単に作れるのがいいところだ。
・干物は透明感が引き立ち旨味が薄いかと思いきや、焼いてみたら驚くほどに脂がしたたり落ち、
うっかり強火でやってしまうと引火して燃えるので注意。
・燻製は本格的に作ってもいいが、たくさん作るのでなければ簡易的な方法で充分だと思う。
非常に立派な味になる。
☆ゴンズイのサンバル焼きココナッツソース
- 辛さにも甘さにも負けない
ちょっとクセの強い料理にも合うことがわかってきたのでシンガポールっぽく料理してみた。
予想以上に、ココナッツにもサンバルソースにも負けず、食感と旨味がバッチリ調和。
ゴンズイの脂がうまい感じに口の中で全体の味をまとめる感じがする。
正直なところゴンズイの良さが死ぬんじゃないかと思っていたが、意外に引き立って驚いた。
料理に使ったのは中型だったが、もっと大きいのが釣れたらこれはオススメ。
-
- 有名な大衆魚であっても処理を間違えれば不味くなるのと同様のことが言えるが、
- それでも、かなり広範囲の料理に対応できる魚だと思う訳である。
- ゴンズイの汚名を晴らす会では斬新なレシピを募集中である。
記 2003.03.17
- タウナギ
- なんだ、ウナギか。
- と、思う方もいるかもしれませんが
- おれんぢ。
- 見ての通り、全然違う魚で、鰭という鰭が全く無く、肋骨も無く、ウナギとは別の科の魚です。
- 乾季の長い、環境の悪い所では8ヶ月も水の無い土の中で仮眠するという、殆ど肺魚同然の魚だ。
西日本では水田に穴をあける害魚として知られ、水が無い所を移動してまで生息域を広げる。
とはいえ、関東では完全な移入種と思われ、一部では繁殖もしている模様。
時々空気を吸うために水面に浮いてくるので見たことある人もいるかもしれない。
動きはものすごく鈍い。
-
- 日本では食用としての馴染みは薄いが、アジアでは重要な食用魚のひとつとして知られ、
- 外国人の多い地域などでは100g300円前後で売ってるので、食用にはそれを買っても良いでしょう。
- ウナギより赤くて黒い
- 何気にタウナギ食べるのは初めてなので、普通にウナギのようにさばけるかと思いきや、
- 動きが鈍いくせに、かなりパワフルでやりにくいったらありゃしない。
- しかも骨がウナギより太く、変なので普通にやったら身が残ってしまうようだ。失敗。
- とんでもないことに、骨と頭だけになっても2時間も動いていた。
- それより、なんだよこの肉の色は!
- 黒いよ!
- 塩焼き・炒めもの・骨煎餅
- 干物にしてから野菜と一緒に炒めて食べたりするのが一般的と聞いたのだが、せっかくなので
- 少し塩焼きにしてみたら、見た目はマズそうなのに、これがウマイ!
- 何コレ!
ウナギとは全く違う、いかにも蛋白質!といった味。
かなり味は濃厚で、しかしくどくない。
脂の乗ったマハゼの塩焼きなんか近いかもしれないが、もっと味は上等かも。
これは意外にイカス!
- 骨も勿体無いので骨煎餅にしてみたが、これもやっぱりウナギよりはサッパリ味。
- ただ、頭の骨だけは異常に硬く、とてもじゃないが食べられたもんじゃない。
- まるでカニ爪を殻ごと食ってるみたいだ。
-
- これは期待できると思い、干物にしてから野菜と炒めてみたが・・・・
- たいしたことねぇなぁ。
- なんかコツがいるんだろうか?
- どう考えても、干物にするより、そのまま塩焼きのほうがうまいよ。
- 塩焼きは間違いなくウマイと言えるし、害魚扱いされてる上に移入種だから、採捕禁止区域以外なら獲っても誰にも文句言われないでしょう。
- ガンガン食っちまいましょう( ̄▽ ̄)ノ
記 2003.01.14
- アカエイ
- 普通に魚屋にも並ぶという意味では珍しい魚ではないんだけどね。
- 初めて釣ったエイが22kgのアカエイだったんよね。
- 全長148cm・体盤幅85cm 22kg雌
- こんなもん持って小田急線で帰ってきたんだから、我ながら阿呆ですな。
- だって、釣った時ナイフ持ってなかったし、このサイズのを上げるのに65分も格闘して弱らせた挙句
- 重すぎてギャフで傷つけないと上げられなかったから、瀕死にさせた以上は責任もって食ってやらんとね。
-
- とはいえ、エイなんてさばいたことないのだ。
- サメは何度か解剖してるからわかるが、エイは一体どんな構造してるのかサッパリわからない。
- それ以前に、わかりやすく言うと75cmコタツを斜めにして尻尾を生やしたサイズなのである。
- 当然まな板なんかに乗る訳もないので玄関を占領して解体開始。
- 血の海を掃除して撮影(既に下パーツは配布済)
- これは・・・6畳一間でアンコウの吊るし切りをした時なんて比較になんねぇよ。
- なんだかもう、巨大すぎてワケわかんねぇ。
- つーか、骨の位置がおかしすぎる。
- さばき方がわからないので、とりあえず変則5枚おろしにしてみたが、後で魚屋の某超絵描き様様に聞いてみたところ
- 下まで一気に切り落としてからブツ切りにしてしまえばよかったらしい。
- なんて豪快な!
- しっかし・・・肝臓だけで軽く2kg以上ありますが?
- 腸の螺旋弁の幅も親指より太い。毒針も10cm以上。激しすぎるぞ。
- 解体してる間に、食いきる自信がなくなってきた。
-
- せっかくだから売ってない部分も食っておかねばなるまい。
- 石畳のように歯が並んでいる
- これが口である。
- 顎の両脇に、唐揚げでいうチューリップのような大きな筋肉塊があって美味そうだ。
- とりあえず煮てみよう。
- ・・・・・・。
- まるでミイラとかフランケンシュタインの口みたいだ。
- さて、問題の味はどうだろうか。
- ・・・・・
- ・・・・たいしてうまくねぇなぁ。
- ちょっと水っぽい鶏肉みたいだ。しかもちょっとクセがある。
- (役に立つ一口MEMO)
- この時、軟骨魚類といっても歯だけは堅いから間違ってもエイの歯は食べないほうがいいぞ!
-
- メスだったので卵も持っていた。
- 季節が季節だったら小エイが詰まっていたのかもしれないな。
- これも煮てみよう。
- ちょっと亀の卵巣に似てる
- 煮ても枝豆よりデカいんですが。
- 食感は・・・鶏の卵巣のような歯触りに、少しだけモッチリ感とボソボソ感を足したような微妙な感じで、
- たいした味はない。
- 魚の卵じゃねぇよコレ。
- (役に立つ一口MEMO)
- いらなかったら、銀杏に見せかけて茶碗蒸に入れて誰かに食わせてしまうのがいいぞ!
-
- さて、2kg以上もある肝臓だが、捨てるには忍びない。
- しかし踏みとどまれ。
- サメの仲間の肝臓からはビタミンAの錠剤が作られるほどにビタミンAが多いという。
- ビタミンAはシロクマの肝臓もそうであるが、蓄積しすぎているそれは人体に猛毒なのである。
- アカエイの肝臓がどうなのかはわからない。
- とりあえず食べる文化はあるらしい。
- ちょっとだけ煮て食べてみたが、普通にコクある肝だな。
- ただ、色が灰色っぽいだけに見た目がちょっとね。
- (役に立つ一口MEMO)
- 全部一気に食えば多分会社や学校をズル休みできるぞ!
-
- 本体の身であるが、大きく分けて3つに分類できる。
- 1)柔らかい肉質(鰭の大部分)
- 2)普通の魚っぽいしっかりした肉質(尻鰭・尾・腹部)
- 3)軟骨
- 2は刺身でいける。クセが出る煮付けよりも個人的には刺身のほうがいいと感じた。
- 問題は1と3である。
- 要はエイヒレなのだから、焼いたら美味いのかな?
- と思い、焼いてみたらかなり不味かった。
- クセがありすぎ、軟骨も太すぎて食間バラバラすぎる。
- ここまで大きくなると、焼いて食べる場合は軟骨だけのほうが美味い。
- 肉部分はやはり煮付け、煮凝りが妥当だな。
- 他に唐揚げやカレーなどにもしたが、なんか・・・質の悪い鶏肉みたいな感じ。
- カレーなんて30時間煮込んだら、口の中で軟骨がクシャクシャいって変な感じ。
- 見た目につまらんから写真はいらないよね?
-
- ホンオを作るというテもあるけど
- アレはもう勘弁です。
-
- 食っても食ってもなくならない肉塊。
- 冷凍庫を開ける度にウンザリしてきた。
- 小さかったらエイヒレとか作って食べ甲斐あるんだけどなぁ。
- そしてその後、メーターオーバーのアカエイが散々釣れるハメになるのだが2度と持ち帰っていない。
記 2002.10.26
- おたまじゃくし
- いくらでもいるのに、日本では食用にしてる話はあまり聞いたことがありません。
- 一部の地域で寿司ネタとかに使われてる話を聞いてるくらいです。
- 中国のほうではやはり食べる人は食べてるみたいですね。
-
- まず、オタマジャクシといってもカエルの幼生な訳で、
- 成体が有毒なものは食べないほうが無難でしょうね。