父を失ったサイアムは路頭に迷う家族を養うため、報酬を目当てに首相官邸「ラプラス」爆破テロに荷担する。
宇宙世紀改暦と同時に起こった「ラプラス」爆破事件は、宇宙世紀に起こるす
べての争いの発端となってゆく。爆破後、サイアムは広大な宇宙に散らばるラプラスの残骸の中から、ただひとつの物体と接触する。それこそ……。
「ラプラスの箱」の守人として、サイアムは一世紀もの時を生きてきた。「箱」を託すに足りる者を見つけるために。
今の地球圏の現状を憂うサイアムは、実の孫であり現当主のカーディアスに「箱」の開放と譲渡を指示する。ラプラスの残骸から見つけた物体こそ、地球連邦政府を転覆させるほどの何かを秘めた「ラプラスの箱」であった。カーディアスは、「袖付き」と呼ばれるネオ・ジオン軍残党に「ラプラスの箱」を渡す手はずを整える。
一方、ネオ・ジオン軍残存部隊に所属するマリーダは、マスターであるジンネマンとともに<インダストリアル7>に向かっていた。
アナハイム工専生のバナージは、早朝のアルバイトに向かう途中で、一本の角を頭にいただくMSを目撃する。
コロニーの中心にある無重力帯に漂う人影を見つけたバナージは、救出するためプチモビで飛び出していった。夢中でプチモビを操作し、虚空を漂う人影に手をさしのべる。エメラルドの瞳と目が合い、手と手が握られる。
助けた少女は、会って話さなければならない人がいると言う。それはコロニービルダーにいるというが……。
少女と別れたあともバナージは、少女が発した「戦争」ということばと、そのとき沸いた熱にとらわれていた。しかし、少女の行方を捜す怪しげな女に、バナージは朝の出来事を漏らしてしまう。無様な自分に腹が立ち、駆け出すバナージ。捕縛されそうになった少女を救い、ともに逃げだしたバナージは、オードリーと名乗った彼女と束の間の会話を交わす。
物珍しそうにハロを眺めるオードリー。みずからを「根無し草」と言う彼女に、バナージは同調できる相手と感じる。2人はコロニービルダーへと向かう。
コロニービルダーへの侵入者を写した写真を見るカーディアス。そこにバナージを見つけ、激しい衝撃を受ける。
コロニービルダーの居住区に着いたバナージたちは、旧世紀さながらの豪奢な屋敷を目にする。屋敷にはオードリーの目的の人物・カーディアスが待っていた。だがそこでバナージは、彼女に別れを告げられる……。
ガンダムインフォ編集部