YOMIURI ONLINE
現在位置は
です

本文です

防犯カメラ5台、一部に死角…東京・江東の女性失跡2週間

 東京都江東区潮見のマンションで先月18日、女性会社員(23)が帰宅直後に姿を消してから1日で2週間になるが、女性の行方は依然として不明のままだ。

 防犯カメラに女性が外出した様子が映っていなかったことから、警視庁は当初、マンション内にいるとみて全室内をくまなく捜索したが、見つかっておらず、カメラの死角を突いて外に連れ出された疑いが強まっている。マンションで一体何が起きたのか。

 「残念ながら、行方は全くわからないというのが現状だ」。警視庁幹部がそう首をかしげる今回の失跡事件。同庁によると、女性が家族と最後に連絡を取ったのは18日午後7時半過ぎ。同居中の姉に「今、着いたよ」というメールが届いた。同じころ、自室のある9階でエレベーターを降りる姿が防犯カメラに映っており、履いていた靴が玄関にそろえてあったため、帰宅したのは確かだった。

 現場に駆けつけた捜査員らが、事件に巻き込まれたと判断したのは、玄関の壁に微量の血痕が付着し、壊れたピアスの部品が落ちていたから。帰宅直後に玄関付近で襲われたとみられるが、玄関以外に血痕はなく、警察犬も玄関から臭気をたどれなかった。

 今年1月に完成したマンションは、オートロック式の共用玄関や、出入りをすべて把握できるよう、エレベーター内と外階段の出入り口付近に計5台の防犯カメラが設置され、セキュリティーが重視されている。

 しかし、カメラには、外に出る女性や怪しい人物は映っておらず、監禁されるなどしてマンション内にいるとみて、全150戸のベッドの下からタンスの中まで徹底的に調べたが、女性の行方に結びつく手がかりは見つけられなかった。

 カメラの撮影位置や角度の検証によって、外階段の踊り場から飛び降りた場合、映らない可能性があることが分かったものの、階段の手すりに乗り越えたような跡は見つかっていない。

 女性は長野市出身で、3人姉妹の二女。神奈川県内の私立大英語学科に進学後、今年1月から新宿区の広告関連会社に契約社員として勤めていた。高校3年間の担任だった男性教諭(57)は「将来は語学を生かした仕事に就きたいと話していた。早く元気な姿で帰ってきてほしい」と心配そうに語った。

 勤務先でトラブルはなく、周囲に不審人物も浮かんでいない。捜査幹部は「交遊関係を一つ一つ洗っていくしかない」としている。

2008年5月1日14時36分  読売新聞)
現在位置は
です