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子ども

▼ニホンで発見

セネガル静かなブーム「パチカ」

 アフリカのセネガルやマリなどで使われている民族楽器(みんぞくがっき)に、「アサラト」「ケスケス」などと呼ばれる小さな打楽器(だがっき)があります。中に種が入った二つの木の実をひもで結んであります。マラカスのようにシャカシャカと振ったり、二つの木の実をぶつけて「カッ」という音を出してリズムを取ります。

 打楽器奏者の田中真一さん(32)は、アフリカ人の知人からこの楽器をもらい、夢中になりました。民族楽器店でしか手に入らず、高価で壊れやすかったため、仲間と協力し、安くてじょうぶなプラスチックで同じ楽器を作り、「パチカ」と名付けました。脚本家の三谷幸喜さんがお芝居の音楽に使うなど、最近、このパチカが静かなブームになっています。

 日本パチカ連盟(事務局・千葉県浦安市)の「パチカクラブ」会員は、8歳から80歳代まで約300人。パチカを剣玉(けんだま)のように操(あやつ)って複雑なリズムを刻(きざ)む技もあり、3級から名人までの認定をしています。

 川崎市内の授産施設(じゅさんしせつ)「多摩川あゆ工房」では、打楽器を使う音楽療法(りょうほう)を受けている子どもたちが、パチカにも取り組んでいます。高校3年の西川匠(たくみ)君(18)=写真=は、「そんなに難しくないよ。楽しいよ」と、華麗(かれい)な技を披露(ひろう)してくれました。(直)

(2005年3月8日  読売新聞  無断転載禁止)