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愛車物語

栄 和人さん(レスリング女子日本代表監督)
: トヨタ・アルファード 2994cc

五輪への道選手の伴走車

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 「大勢の選手と移動するのに便利だから」と、ミニバンタイプを20年間も乗り継いでいる。移動中の車内は、選手と対話する貴重な空間だ。

 1996年に中京女子大レスリング部の監督に就任した当初は、付属高の教諭でもあった。

 愛知県大府市の合宿所と名古屋市東区の付属高の間を高校生部員とともに、片道40分かけて往復する生活が8年間続いた。その中には、後にアテネ五輪で金メダルを獲得した伊調馨選手もいた。

 朝の車内では部員たちに「勝ちたい、頑張りたい」と強く思わせるため、五輪選手が体験を語るFMのラジオ番組「マイオリンピック」を流した。練習の反省や私生活の注意をするのもクルマの中だった。

 「次のロンドン五輪までは、ミニバンで走り続ける」。これからもクルマの中で、選手と苦楽を共にしていくつもりだ。(八木さゆり)

(2008年4月3日  読売新聞)