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[支えあって子育て]命 身近に…子どもが世話 ヤギ、シカ、クジャク衛生、安全に配慮を小さな子どもと動物とのかかわりが見直されている。命の大切さを感じ、思いやりを養うことにつながると、保育園や幼稚園で飼育している例も多い。家庭で飼う場合には、きちんと世話が出来るかを十分検討し、衛生面や安全面に配慮することが必要だ。 東京都町田市の「しぜんの国保育園」では、ヤギ、シカ、クジャクなど約10種類の動物を飼育小屋で育てている。近くの大学の獣医学部生が世話を手伝っている。「(シカは)ドングリを食べたいんじゃない?」「クジャクの羽には“目”がたくさんあるんだよ」。飼育小屋の前で、園児たちが思い思いにおしゃべりしている。 同園理事長の斎藤謹也さんは「身近に本物の動物がいることで、自然が人間だけで構成されているのではないことを、子どもたちは理解していきます」と話す。 動物の気持ちを想像しながら子ども同士で会話する光景も見られ、他人の心をくむ力を養うことにつながっているという。えさとなる野菜を自宅から持っていくのが楽しみで、登園を嫌がらなくなった子どももいた。動物アレルギーの子どもには、近寄らせないなどの配慮をしている。 「動物の死も体験する。泣いている子どもも多い。命について考えるきっかけにもなります」と斎藤さん。 子どもと動物のかかわりを広げようとする動きもある。 千葉県獣医師会は昨年、学校や幼稚園などでの動物飼育を支援するためのマニュアルを作成。動物飼育の意義として、〈1〉命の大切さを学ぶ〈2〉動物を愛する心を育てる〈3〉人を思いやる心を養う〈4〉人と異なる生命への関心を養う――などを挙げ、獣医師会として、飼育方法や衛生管理の指導、診療などの支援を進める手順などを示した。 一方、小さい子どもがいる家庭で、犬や猫などを飼う場合もある。ペット可のマンションも増え、飼いやすくなっている。 埼玉県内のマンションに住む主婦(42)は、小学2年生の長女が生まれる前から、室内で犬を飼っている。「犬は柵の中で飼うなど、子どもの安全には注意してきた。子どもも今は散歩に連れて行くなど世話を楽しんでいます」と話す。 東京都内の獣医師・宮田勝重さんは「小さい子どもがいる家庭でペットを飼う場合、衛生面や安全面に大人が十分注意してほしい」と指摘する。 ペットが、ひっかいたり、かみついたりすることがないように柵などを活用し、子どもとペットの動きに気を配ることが必要だ。薬剤などによるノミ、ダニの駆除・予防、室内の掃除には念を入れる。感染症を防ぐため、ペットとのキスなど過度の接触はさせないようにする。 また、子どもにアレルギーがある場合は、室内で飼うのは避けた方がいいという。 「育児とペットの世話の両立は、大変な面もある。ペットの世話がきちんと出来るか、事前によく検討してほしい」と宮田さんは話す。 (2008年3月24日 読売新聞)
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