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「奈緒子」主演 三浦春馬

表情だけの演技 難しい

 高校駅伝にかける青春を描く映画「奈緒子」が公開中だ。主人公の高校生ランナーを演じたのは、映画「恋空」などで人気上昇中の三浦春馬=写真=。「仕事でも勉強でも、それぞれが夢に向かってやっていることはあると思う。僕らが走る姿を見て、そのことを改めてとらえ直してもらえればうれしい」と話す。

 長崎の離島の高校陸上部が舞台。6年前、海に落ちた奈緒子を助けて父が命を落とした駅伝選手雄介(三浦)と、奈緒子(上野樹里)が、心の傷を乗り越える姿を描く。人気漫画が原作だ。

 4歳で芸能界に入り、ドラマ「ファイト」「14才の母」で注目を浴び、今や映画でも大活躍の17歳。スポーツ選手役は初めてで、陸上部員役の共演者と撮影の1か月前からトレーニングを開始。日焼けサロンに通いながら、連日5〜8キロの走り込みを積んで役を作った。

 走る場面が多く、セリフが少ない分、表情だけで葛藤(かっとう)や苦しみを演じなければならなかった。古厩(ふるまや)智之監督からは「無邪気さを出せ」と言われたが、「大人びた表情でいながら無邪気でいるのが難しかった。かっこよくなり過ぎないようにとも言われた。(金髪高校生を演じた)『恋空』の後で、感情を出して怒り慣れてるように見えたらしくて……。徐々に抑えるようにしましたが」

 それでも撮影の合間に、陸上部監督役の笑福亭鶴瓶に落語を聞かせてもらい、上野と演技について語りあうなど「すごく楽しかった」と振り返る。

 何より選手役の共演者とは強い連帯感が生まれた。「物語と同じく、ライバル心も生まれたし、故障に苦しむ人も出たけれど、励まし合って走った。一つの作品をみんなで作り上げるという意味を、深く理解できた気がする」と語っていた。

2008年2月29日  読売新聞)
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