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「ライラの冒険黄金の羅針盤」主演ダコタ・ブルー・リチャーズ

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「本と映画では表現の形が違うから、まったく原作通りということはあり得ない。でも、理解できる違いばかりだったわ」=撮影・三輪洋子

13歳「ライラ役は特別」

 世界の命運を握る少女の壮大な冒険を描くファンタジー映画「ライラの冒険 黄金の羅針盤」が、3月1日から公開される。

 1万5000人の候補者の中からヒロインのライラに選ばれた、13歳の新人、ダコタ・ブルー・リチャーズは、「女優になるというより、ライラを演じてみたいと願い続けていた」と話す。(恩田泰子)

 舞台は、我々の世界と似ているが、不思議に満ちた“もう一つの世界”。人間たちは、魂を分かち合う動物の姿の分身「ダイモン」を従えている。子どもたちが連続して姿を消し始め、ライラの親友までもが何者かに連れ去られる。救出を誓ったライラは、子どもたちのいる北の国へ。敵か味方かわからない大人たちと出会いながら、謎に挑む。

 フィリップ・プルマンによるファンタジー小説を基にした3部作の第1作。ダコタは、9歳の時に、母親に原作を読み聞かせてもらったのをきっかけに、物語に魅了された。

 「登場するキャラクターは全員魅力的だけれど、中でもライラは特別。強情でおてんば、でも優しさも併せ持っているところが素晴らしいの」。その後、ロンドンのナショナル・シアターで上演された舞台版を見に行き、気づいた。「演じることで、ライラになれる」

 映画のオーディションには、わざと頭をぼさぼさにして出かけた。「母が絶対にそうすべきだといったの。原作に、序盤のライラは野性的で外見に気を使わないと書いてあったから」。その姿がクリス・ワイツ監督の目に留まり、演技やカメラ映りのテストを経て大役を射止めた。

 学校でドラマの授業はあったが、本格的な演技は初めて。だが、ニコール・キッドマンや、ダニエル・クレイグとの共演場面でも堂々とした存在感を見せた。

 「豊かな経験を持つ素晴らしい二人から、知らず知らずのうちに色々なことを学び、刺激を受けた。ダニエルは本番前に、跳んだりはねたり、ぐるぐる回ったりして気持ちを高揚させる。私も別の撮影現場でまねしてみたけれど、確かに効果的。ちょっと恥ずかしくなるけれど」

 ただ、次々と姿を変えるダイモンや、良き盟友となる、よろいを着た巨大なクマなど、CGで作り上げる架空の生き物との場面には苦労した。「目印はあっても、実際にどんな姿になるのか分からない。現場の陰でセリフの相手をしてくれる人たちがいて、随分と救われた」

 将来は教師になるのが夢という普通の少女が、この映画で一躍注目される存在になった。彼女自身は、「基本的に私はちっとも変わっていない」。それでも演技に少し自信がつき、女優業も続けたい、とも考えるようになった。「初等学校の教師になって6歳くらいの子を受け持ちたい。撮影と学校を両立するには、代用教員も良いかも知れないと思うのですが」

2008年2月22日  読売新聞)
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