農水省の「日本SHOCK!フェア・報告会」に招かれました。
「日本SHOCK!フェア」とは、東北大学の学生が、イモ類を中心にした2020キロ・カロリーのメニューを、大学の生協で朝昼夕各30食、1月15、16日の両日にわたって提供し、食料の自給率について考えたイベントです。
農水省がイベントを紹介し、読売新聞の「食ショック」をはじめ多くのメディアで取り上げられたので、ご記憶の方もいるのではないでしょうか(ちなみにですが「食ショック」とは全く別に計画されたイベントで、それぞれの名称に「ショック」がついたのも偶然です)。
報告会は、東北大学の学生と私のそれぞれの「自給食体験」を踏まえ、食の問題について自由に議論しようと開かれました。会場を訪れたのは、農水省の担当者や報道関係者をはじめ、30〜40人ぐらいだったでしょうか。
まず、東北大学の学生がイベントの内容について報告。パワーポイントによる資料を使って、4人が交代でスピーチしていましたが、何よりその堂々たる話しぶりに感心しました。少なくとも私が学生の時よりははるかにしっかりしているな、と。
続いて私の番。体験は記事にもブログにも書いているので、体験報告自体はできるだけコンパクトにまとめ、読者から寄せられた意見の紹介に時間をかけました。特に「農業機械を動かすのに必要な燃料の自給率も考えると、日本の食料自給率はさらに下がるのでは」という読者の意見には、農水省の担当者も強い印象を受けたようでした。
続いて、一連の取材を通じて私の感じたことを、問題提起しました。その内容は大きく2つです。
まず、もっと食べ物のムダをなくすことを考えるべきではないでしょうか。
例えば、賞味期限の問題があります。「安全・安心」に過敏になりすぎる余り、賞味期限が過ぎているからといって、まだ食べられるものを捨てているのではないでしょうか。また、食品ごとに個別の農薬残留基準を設定し、基準のないものはかなり厳しい一律基準で規制する「ポジティブリスト」も、現実にそぐわない面があるのでないか、といったことです(あまり口にしない穀物でも、他の穀物なら問題のない農薬が少し残っていたからと言って、外国に返品したり、時には廃棄処分の対象になったりしています)。
あまり言い過ぎると、「消費者軽視」との批判を受けかねませんが、膨大な量の食料を輸入し、かつ捨てている現状はどうにかしなければいけません。
もう1つは、国産品を食べてもらうにはどうすればいいかということです。
読者からは、「コメを中心とした和食を見直そう」という意見も多かったのですが、私自身、4日間の自給食体験中に、ラーメンやパスタを食べたいと思いました。ただ「和食を食べよう」とキャンペーンを行うだけでは、限界があると思います(もちろんムダではないですが)。
それはそれとして、例えばですが、国産品に関心のある人が国産品を買いやすく、食べやすくしたりする仕組みが作れればいいなと思います。例えばすでに始まっている、国産品を使っている飲食店の店頭に「緑ちょうちん」を掲げる取り組みなどです。
2つの発表で1時間を超え、農水省の方もいろいろな感想を述べられたので、意見交換の時間はあまりなかったのですが、1つ一致したのは、「見える化(ビジュアル化)」が必要だということです。自給率を高めるということと、直接つながるような、つながらないような話なのですが、「自給率39%」と数字をあげるだけではダメで、やはり実際のメニューを提示するのが大事なのです。
夜、TBSラジオの「アクセス」に出演しました。スタジオとリスナーを結んで様々なテーマについて直接討論する番組で、当日の出演者は、アナウンサーの渡辺真理さんと評論家の宮崎哲弥さん。
今回のテーマは「学校給食と自給率」で、言い方を変えると、「学校給食で国産品をもっと使う方がいいのか、それとも国産品は値段が高いので、ある程度は輸入に頼るのも仕方ないか」が議論の中心でした。
あらかじめ伝えておいた携帯電話に、スタジオから電話がかかってきたのは午後11時ごろ。少し前からラジオを聞いていたところ、プロデューサーから「ラジオは切って、しばらく携帯を聞いていて」との指示があり、携帯を耳に当てていると、なるほど、番組の内容がそのまま携帯を通じて流れてきました。
番組では、渡辺さんや宮崎さんの質問に答えていく形で、「完全自給率体験」の内容を紹介しました。スピーカーは基本的に渡辺さんで、時々宮崎さんからの突っ込みあり。肝心の「学校でもっと国産品を食べた方がいいか」という質問には、「コメや野菜は地産地消もありだけど、小麦や肉などは現実として難しいので、無理のない範囲で国産品の消費量を増やしていけばどうか」と答えました。
「また自給食体験をやりたいですか」との問いには「もういいです」とも。時間にして5分ぐらい。あっという間でした。
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CS放送の「日テレG+」で放送されている、読売ニュースナビ「自給率ピンチ どうなる日本の食卓」に出演しました。
一連の「食ショック」をダイジェストで伝える内容で、前半は「完全自給食体験」を踏まえて、日本の食卓がどれだけ危機的な状況にあるか、後半はどのようにすれば自給率を上げられるか、がテーマです。
取材してきたことを素直に話せばいいので、テレビ収録には割に気楽に臨みましたが、カメラを前にするとやはり緊張。特に難しかったのが数字の読みで、いざ声に出してみるととちったり、棒読みになったりでした。
台本を読むより、むしろキャスターの中谷久美子さんの質問に答える形で受け答えする方が楽なぐらいでした。
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