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友人の無遠慮さに不快感30歳代女性。小学生の子と2人暮らしです。友人女性について相談します。子どもの幼稚園を通じて知り合いました。とても思慮深く、信頼できる人です。 先日、彼女が子どもを連れ、泊まりがけで初めて家に遊びに来てくれました。彼女の子がおねしょをしました。しかし彼女は「家ではいつものこと」と平気な顔。断りもなく洗濯機やシャワーを使いました。また、私にだまって、冷蔵庫を開けたり、買い置きのお菓子を食べたりしていました。 母子家庭で、気兼ねがいらないこともあったのでしょう。でも何か、彼女らしくない不思議な感じを受けました。一言「ごめんね」「ありがとう」の言葉が、あればよかったのに。 帰り際「楽しかった。また来るね」と言われました。でも、もやもやとした気持ちが残ります。もやもやを解消し、出来れば今まで通りいい友だちでいたいと思います。気の持ち方についてアドバイスをお願いします。(埼玉・T子)
かつての私みたい、とあなたに親近感を覚えてしまいます。私もこうあってほしいとの「願望のフィルター」をかけて相手を見てしまいがちなタイプだったので、なにかの折に「えっ! こういう人だったの!」とびっくり、がっかり。それを繰り返してきました。 もしかしたら、誰もがそうなのかもしれませんね。 そう、人は多面体。相手次第でいろんな面があらわれます。厳しい人には丁重に、優しい人には甘え、繊細な人には気をつかいます。きっと、あなたは友人に「好きにして。私は、あなたを怒らないわよー」光線を発して、向き合っていたのではないでしょうか。 ムッとした顔をしたりすれば、相手も別の反応をしたかもしれません。それが、あなたの美点、いいところなのでしょう。彼女と友人でい続けるには、こちらもはっきりものを言って付き合おうと思えるかどうか。今一度、自分の胸によく聞いてみましょうよ。 ちなみに今の私は、たまらないところがあるくらいの人の方が面白いよねえ、と思えるほどの「他人に対するタフさ」が身に付いてしまいました。 (久田 恵・作家)
(2007年12月29日 読売新聞)
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