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子どもにつきまとう元夫

 30歳代主婦。今年離婚し、小学生の子ども2人は私が引き取りました。離婚の原因は、元夫の賭け事や借金。彼は、子どもの面倒はまったく見ませんでしたが、離婚後、急に子どもを気にし始め、家に電話をかけてくるようになりました。

 先日、子どもがお金を持っているので、驚いて尋ねると、「お父さんがくれた」という返事。千円札を2人に2枚ずつ渡して、「お菓子でも買いな」と言ったそうです。昼間は仕事をしていないようで、学校の入り口で、下校時間に待ち伏せし、週数回、車で送ってあげるらしいのです。

 子どもたちにつきまとうことに腹が立ち、電話でやめるように告げると、「おれの子どもには違いない。親権を取ったと威張るな」と言い放ちました。今まで子どものことなんて見向きもしなかったくせに、今更許せません。

 彼の身勝手をやめさせたいのですが、私にはそういう権利はないのでしょうか。(神奈川・F子)

 離婚して、親権がない父親でも、親であることに変わりはないので、子どもに会う権利があります。ただ、その権利は、子の健全な成長をはかるために認められているので、子の利益や福祉を害するおそれがあれば、あなたは、親権者として、子と会うことを制限することができます。

 確かに、元夫が、あなたの了解なしに子どもにお金を与えるのは、教育上よくありません。また、下校する子どもを待ち伏せたり、必要以上につきまとったりすると、子どもと母親との安定した生活が乱されます。

 そこで、このような身勝手な行動をやめさせるには、元夫と話し合って、子に会わせるルールを決めておく必要があります。小学生ともなれば、友達との遊びや習い事などのスケジュールがあるでしょうから、子どもの意思を尊重して、会う回数や日時・場所を決めればよいでしょう。

 その話し合いができない場合は、家庭裁判所に子の監護に関する調停を申し立てれば、最終的には審判で、適切な面接の方法を決めてくれます。

 (土肥 幸代・弁護士)

2007年6月17日  読売新聞)

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