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近所に友だちいない小2の娘

 30代の主婦。小学2年生の娘がいます。一人っ子で、近所に同年齢の子どもが住んでいないため、学校以外で友だちと遊ぶことがありません。いつもぽつんと独りでいる姿を見て、かわいそうに思います。

 せめてもと、ペットを飼い、習い事もさせています。でも、習い事への送迎の車中、子どもたちが遊んでいる姿を見ると、私は落ち込んでしまいます。「子どもがたくさんいる地域に家を買えば良かった」と自分を責めてしまいます。

 娘は活発で明るい性格ですが、慣れていない人には遠慮しすぎる面があります。私自身、ほとんど友だちがいなくて、孤独を感じながら生きているので、娘もそうならないか心配です。一緒に友だちと遊んだ思い出が少ないことは、子どもの成長にマイナスに働くことはないでしょうか。引っ越しは簡単にはできません。母親としてどうすればいいか、悩んでしまいます。(大分・M子)

 近所に子どもの友だちがいないと悩んでおられますが、それが将来、お子さんの発達に直接、悪影響を及ぼすという心配はないと思います。友人関係は子どもが育つ過程で大切な要素の一つですが、小学生になれば学校に友だちはいます。娘さんは明るく活発な性格とのことですから、試行錯誤しながら、自分のペースで、気のあった友だちを作っていくことでしょう。

 娘さんの友人関係を心配するのは、あなたご自身に友人がいないことを苦にしているからですね。確かに友人の存在は悩みや喜びを共有し、心の支えや生活の喜びとなりますが、一方で、お付き合いが難しくてストレス源になる場合も少なくありません。友人が周囲にいなくても、伴侶とお子さんに恵まれています。今あなたに与えられている関係を大事にしましょう。

 お子さんに対しても、近所に友人がいないことを心配するそぶりを見せるのではなく、家では親とゆっくりと過ごす楽しさを経験させてあげて下さい。それが将来、いろいろな人と上手にお付き合いできる素地になります。

 (大日向 雅美・大学教授)

2006年7月8日  読売新聞)

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