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2006年2月14日

画期的な「ぷよ」容認


斉藤まりあアナ(右)と読み合わせ中の鈴木記者(中央)。斉藤アナはこの翌日、髪をばっさり切り、周囲を驚かせた

 「STORY」という女性誌を見ていたら、「もてぷよ」という言葉が出てきた。この雑誌は、私と同じ40代あたりを主な読者層とする雑誌。

 記事は「自前のぷよっとした贅肉(ぜいにく)を最大限に利用してもてる服を考えよう」と提唱し、「痩(や)せ」こそが善とされてきた女性誌の世界で、バロック・ロココの時代まで引き合いに出して、「もてぷよ」を打ち出す画期的な内容となっている。

 年を重ねると、食事に気をつけても、運動をしても、贅肉が、どうしても不要なところについてくる。一種の加齢現象で、逆らいきれない。

 しかし、現代日本の「モテ分野」における女の価値は、ほぼ完全に「若さ」とそれに伴う「細さ」で決められると言って過言ではない。若くて細ければ、「勝ち組」。年とって太ければ「負け組」。仕事もオシャレのセンスも経済力もほとんど関係ない。男の場合、年をとっても「貫録」「渋み」という新たな魅力を獲得したり、経済力や地位が上がったりして「モテ」ることがあるのとは対照的だ。

 モテることが偉いという価値基準にも疑問を感じる。だが、自然に年をとるだけで、右肩下がりに「価値」が下落するのでは、「女の人生って何?」という気分にもなろうというもの。

 そんな中、同誌が「ぷよ」容認を打ち出したことは、実に興味深い。これは、若さばかりがもてはやされるこの国への、「ぷよ世代」の逆襲の一矢なのかも、と思っている。

もてぷよ 「STORY」(光文社)3月号が、「今こそ贅肉を贅沢(ぜいたく)に! 40代なら『もてぷよ』ファッション」という記事を掲載。「つかみたくなる二の腕」や「まろやかなヒップ」「柔らかな胸元」を演出する方法を紹介している。

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