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どうする?子供の有害サイト対策(3)−−親が選ぶべきフィルタリングは?ケータイトラブルから子供を守るには、フィルタリングは必須だ。フィルタリングには「ホワイトリスト」と「ブラックリスト」がある。親はどちらを選べばいいのだろうか?(テクニカルライター・三上洋) 「ブラックリスト」「ホワイトリスト」とは「どうする? 子供ケータイ有害サイト対策(1)」と、どうする? 子供ケータイ有害サイト対策(2)−−中学生の1割が「メル友あり」の2回に渡って、ケータイトラブルを防ぐための対策と現状をリポートした。3回目となる今回は、より具体的に子供を守るための方法をまとめる。各ケータイ会社で提供されているフィルタリングは、どれを選べばいいのだろうか。 各ケータイ会社が提供しているフィルタリングサービス(有害なサイトを排除するサービス)には、「ブラックリスト方式」と「ホワイトリスト方式」の2つがある。 ブラックリスト方式は、ケータイサイトをカテゴリに分類し、未成年者にとってふさわしくないカテゴリを遮断する方法だ。ケータイでは全社がネットスター社のURLリストを採用している。ネットスター社が、ケータイサイトを「アダルト」「不法」「コミュニケーション」など73のカテゴリに分類し、これを基にしてケータイ会社が未成年者にふさわしくないカテゴリをシャットアウトする。 ホワイトリスト方式は、安全だと確認されたサイトだけにアクセスさせるもの。ケータイでは自社の公式メニューにあるサイトで、グラビア・コミュニティ系などを除いた問題のないサイトだけにアクセスできる。それ以外の一般サイトはすべて表示できなくなる。 どちらが安全かと言えば、当然ながらホワイトリスト方式のほうが安全だ。折り紙付きで安全と言われるサイトだけに限定されるからだ。しかしホワイトリスト方式では、公式サイトにないものがすべて遮断されてしまう。企業のページでもダメだし、子供が通う塾のサイトも見れなくなる。事実上、子供はケータイサイトを利用できないことになる。 ブラックリスト方式ならば、企業サイトや塾のサイトを表示できる。ただし小中学生の多くが使っているモバゲー、SNSのミクシー、プロフィールサイトである前略プロフィールといったサイトにはアクセスできない。これらはネットスター社のURLリストで「コミュニケーション」というカテゴリに分類されており、ケータイ会社が「コミュニケーション」カテゴリを遮断しているからだ。 各社のフィルタリングサービス各ケータイ会社のフィルタリングサービスを見ておこう。ほぼ全社が「ブラックリスト」「ホワイトリスト」の2つの用意しているが、どちらを原則加入とするのかで違いがある。なおブラックリスト方式は、全社ともネットスター社のURLリスト(カテゴリ)を採用している。
「ホワイト」「ブラック」どちらでもモバゲー・ミクシーは遮断上記をまとめると、NTTドコモとauは「ホワイトリスト方式」を原則加入、ソフトバンクは「ブラックリスト方式」を原則加入にしている(ウィルコムは検討中)。もちろん強制的に加入させられるわけではなく、保護者が「加入しない」「他のフィルタリングにする」と意思表示することも可能だ。ただし意思表示をしないままだと、いずれかのフィルタリングが6月から8月以降、自動的にかかることになる。 親としては2つの命題に悩まされるだろう。1つは「子供の安全を守る」ことで、安全性だけ考えればフィルタリングは厳しいものほどいい。ブラックリストよりもホワイトリストのほうが安全だ。 しかしもう1つの命題「子供の楽しみ・利便性」を考えると、フィリタリングは安易にかけるべきではない。ホワイトリスト方式では一般サイトがすべてNGになるし、ブラックリスト方式でもモバゲー、ミクシーといった人気サイトが遮断されてしまうからだ。子供が本当に見たいサイトは、ブラックリスト方式でもシャットアウトされてしまうのである。 これについてURLリストを提供しているネットスター社では 「モバゲーなどが見られなくなることについては、サイト運営事業者からも改善して欲しいという要望の声をいただいています。しかしどんな運営のサイトであれば健全かの社会的な合意がないため、リスト上での線引きが難しい状況です。現在はモバゲー、ミクシー、レンタルブログなどを全て『コミュニケーション』カテゴリに入れていますが、社会的な合意が見えてくれば、より細かい分類も検討したいと考えています」 とコメントしている。 子供の理解に合わせて段階的に導入・解除筆者がおすすめするのは、まずは子供と話し合うことだ。どうする? 子供ケータイ有害サイト対策(1)でとりあげているが、子供がどんなサイトを見たいのか理解した上で、危険なサイトでのトラブル例を話し合うことが第一である。 その上でケータイでのフィルタリングは、段階的に導入することを考えたい。子供が小中学生で、初めてケータイを持つ(いわゆるファースト携帯)のであれば、もっとも厳しい制限の「ホワイトリスト方式」をかけておく。初めて使うのならメールが中心になるから、もっとも厳しいフィルタリングでいいだろう。 そしてある程度、子供がケータイのことを理解したら、一歩緩めてブラックリスト方式にする。これで塾のサイトや、企業のキャンペーンサイトなども見られるようになる。 そのうちに子供から「どうしてモバゲーは見れないの?」という声が出るだろう。ここでもう一度、子供と話し合い、ケータイではどんなトラブルが起こりやすいか、どんな事件の例があるかを理解させたい。架空請求詐欺、出会い系、薬物売買など危険な例を教えておくべきだ。その上で、子供が本当に危険性を理解しているようなら、フィリタリングはすべて解除すればいい。 フィリタリングですべて遮断するのは簡単だが、「何が危険なのか」という判断する力を奪うことになる。子供としっかり話し合い、理解度に合わせてフィリタリングを段階的に導入・解除することを勧めたい。 (2008年3月7日 読売新聞)
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