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野村証券でネット取引障害

271万口座 一時売買できず

 国内証券最大手の野村証券で5日朝から、インターネット取引や、電話の音声ガイダンスによる売買注文ができなくなるトラブルが発生した。

 全国に約340台設置されている野村の現金自動預け払い機(ATM)も出入金ができなくなったが、午前11時19分にすべて復旧した。野村はトラブルの原因を明らかにしていないが、関係者の間では、システムのハードウエアに障害が起きたため、との見方も浮上している。

 野村によると、売買注文ができなくなったのはインターネットによるオンライン取引口座「野村ホームトレード」(約271万口座)と、電話による自動音声案内で株式を売買する「野村テレフォンアンサー」。

 いずれも、すべての顧客がサービスを利用できなくなり、野村は顧客が登録先の支店に電話すれば売買注文を受け、顧客が支店に出向けば直接、注文を受け付けるなどの対応を取った。

 全国約150か所に約340台設置されているATMでも出入金ができなくなり、支店の窓口で出入金などの対応をした。野村のATMは、現金の預け払いのほか一部の投資信託の購入なども可能なものだ。

 野村は2006年6月にも、オンライン取引口座で同様の障害が発生し、一部の顧客のネットによる取引が一時、できなくなったことがあった。

 国内の証券業界では、インターネット専業証券の楽天証券が05年以降、投資家からの取引注文が受け付けられなくなるなどのシステム障害が多発し、複数回にわたって金融庁の業務改善命令を受けた例がある。

5時間混乱 苦情相次ぐ

 業界最大手の野村証券で5日午前、自宅でできるインターネット取引システムが5時間余り使えなくなり、支店には利用者からの苦情や問い合わせが相次いだ。ネット取引に加え、現金自動預け払い機(ATM)の入出金もできなくなり、一般投資家らに混乱が広がった。

 野村ホールディングスグループ広報部によると、顧客向けネットサービス「野村ホームトレード」で不具合が発生したのは5日早朝。担当者は原因について「不便をかけて申し訳ない」と話した。

 口座のある東京・丸の内の東京支店に来ていた会社員の男性(67)は「毎朝、ネットのトレード画面を見るのが日課だが、きょうは動かないので、どうしたのかと思った」と首をかしげていた。回復したのは午前11時19分。店の社員らはホッとした表情だった。

 都内に本社を置くネット証券専門会社の社員は「1分1秒を争うデイトレーダーには不利益があったのではないか」と話した。

2008年3月5日  読売新聞)
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