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祖母の厳しさに感謝

中江 有里(なかえ・ゆり)さん 女優・脚本家


 幼いころ、自宅から1駅離れた母方の実家に行くと、嫌いだった青ネギがたっぷり入ったおみそ汁を食べさせられました。「これを食べないと、美人にならないよ」と言う祖母に、「おもしろいことを言うなあ」と思いながら、怒られるのが嫌で、食べたことを覚えています。

 厳しかった祖母は、私の27歳の誕生日に亡くなりました。亡くなった後、部屋の壁中に私のポスターが張ってあるのを見つけました。「こんなに大事に思ってくれていた」ことを知ると同時に、激動の時代を生きるには厳しさが必要だったんだ、と思いました。

 無駄な経験は一つもないし、年をとることも悪いことではないと思っています。中学生の時に思った「物書きになりたい」という夢がかない、脚本家として活動できているのも、女優としての経験がなければ無理だった。女性の生き方が多様化してきたこともあって、女優としても、年を重ねてもできる役が広がっているのは、うれしいです。(聞き手・中館聡子、写真も)

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 1973年、大阪市生まれ。NHK衛星第2「週刊ブックレビュー」で司会を務めるほか、フジテレビ系「とくダネ!」にコメンテーターとして出演中。著書に「結婚写真」(NHK出版)。

2008年3月5日  読売新聞)
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