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赤ちゃんABC

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小さく生まれて

(1)不安な母親周囲が支えて

 小さく生まれる赤ちゃんが増えています。

 赤ちゃんは通常、母親の胎内で40週ほどを過ごし、体重3000グラム前後で生まれてきます。これよりずっと小さく生まれた赤ちゃんも、今は医療の進歩により、命が助かり、育つようになりました。

 以前は未熟児と呼ばれた、体重が2500グラムに達しない「低出生体重児」が、生まれる赤ちゃん全体の1割を占めるようになっています。こうした赤ちゃんの大半は発達上の問題もなく育っていきますが、早く出産したお母さんは動揺し、大きな不安を抱くようです。

 「予想外に早く生まれ、保育器に入った小さな我が子の姿を初めて見た時は、ショックで近くに行けませんでした」。3年前に約500グラムで長男を出産した母親(33)は当時をそう振り返ります。

 赤ちゃんの身体の機能が十分に発達していない場合、すぐに新生児集中治療室に入院し、呼吸器や栄養チューブなどにつながれるため、親は一層つらい気持ちになるといいます。

 「『早く生まれたのは私のせい』とお母さんは自分を責めがちです。でも、早産にはさまざまな事情があり母親だけの責任ではありません」と、小児科医の堺武男さんは話します。体重1000グラム以上の子なら2、3歳になるまでに成長も通常出産の子に追いつくそうです。

 「赤ちゃんはお母さんを待っています。入院中もできるだけ両親が赤ちゃんにかかわり、それを周囲の人たちも支えてあげてほしいと思います」

 このシリーズでは、小さい赤ちゃんの育児を考えます。

2008年3月3日  読売新聞)
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