ついに体験取材の朝が来た。読売新聞東京本社の社員食堂で、まずは996キロ・カロリーの1日分の食事をまとめて写真撮影。覚悟はしていたが、実際に目の前に出された料理を見て、思わず絶句! ご飯が2杯あるのを除くと、ほとんど1食分の量ではないか。
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「結構、少ないですね」。献立作りを依頼したグリーンハウスの担当者の声に、ただうなずくしかない。
気を取り直して、いよいよスタート。朝食のご飯と根菜汁を前に、思わず手を合わせて「いただきます」。根菜汁は、みそが3グラム入っているので何となくみそ汁のように見えるが、実際には、みそを入れる前のだし汁に近い。イチョウ切りになったニンジンと大根、輪切りのゴボウがコロコロと(ゴロゴロではない)入っていて、おかずはこれだけなのだ。
仕方ない。米をゆっくりかみしめながら食べると、これがなかなかうまい。「秋田こまちです」との説明。これだけゆっくり米を味わったのは、久しぶりのような気がする。根菜汁のニンジン、大根、ゴボウもゆっくりと。あるものを、味わって食べるしかない。ふだんならすぐに食べ終わるところを10分ほどかけた。ふだん、朝ごはんをがっちり食べる身としては、全くもって物足りない。
朝食はふだんに比べて相当少ないとはいえ、前日の夜、両親の家で「食いだめ」しておいたのが効いている。弟夫婦らもまじえてのにぎやかな夕食で、メニューもおでんにカニ、刺し身に点心と豪勢だった。まだ大丈夫だ。
「お腹すきました? ごめんなさい。でも、これだけなんです」
かわいらしい栄養士さんの何とも申し訳なさそうな声とともに、目の前に出されたのは、ふかしたサツマイモ一切れにカボチャ一切れ(ともに40グラム)、みかんの輪切りだけ。
サツマイモ一切れ、というのは、ちょうど親指と中指で輪を作った大きさで、厚さ2〜3センチ。カボチャもまあ大体同じような大きさ。みかんなら、だいたい4分の1ぐらいだろうか。
事前にメニューを渡されてはいたが、実物を前にただ笑うしかない。味はというと、サツマイモはただふかしただけ。皮をむくと、実(?)の部分も取れてきそうなので、途中でやめた。カボチャも、よくある「カボチャ煮」とは全く別物で、多少の味付けがあるとはいえ、ほとんど煮ただけ。電子レンジでカボチャを温野菜にするとこんな感じだよな、と思いながら、食べること4口。1口大の大きさとはいえ、本当に1口で食べたらすぐに終わってしまう。
みかんは、普通のみかん。一房ずつ食べようかと思ったけど、バカバカしくなって、すぐに2房ずつに増やしました。
夕食は、ご飯とサバの塩焼き、チンゲンサイの付け合わせに、キュウリとワカメの酢の物。サバの塩焼きといっても、小さな切り身が1つあるだけ。それでも、ようやくまともなおかずにありつけた気になり、とてもうれしい。
問題はチンゲンサイの付け合わせ。ただゆでてあるだけなので、何とも味気ない。しょうゆが使えればいいのだが、日本を代表する調味料とはいえ、しょうゆはほぼ100%輸入大豆で作られており、今回は使えないことになっている。
皿に残った魚の油に、チンゲンサイをこすりつけて食べてみたが、かすかに塩味がついただけで、何だかわびしい。そういえば、このサバも少ししょうゆをふるだけで、一段とおいしくなるだろう。しょうゆなしの食生活は、やはり考えられない。
日本の「食」を取り巻く最大の変化は、少子高齢化です。調査では、全体の74%までが「食べ過ぎないように心がけている」または「努力して量を控えている」と答えています。しかも、その割合は高齢層ほど高くなっています。
人口が減る一方で高齢化が進めば、日本人が食べる総量はどんどん減ることが予想されます。これは食料自給率にとってはプラスの方向に働くでしょうが、日本全体が老いていく証拠でもありますから、喜んでもいられません。
※連載「食ショック」の一環として、gooリサーチと共同で、消費者1000人に対する意識調査を行いました。実施期間は2007年12月19日から21日まで、対象は全国の13歳以上の男女で、国勢調査の比率に合わせて抽出しています。有効回答数は1076。記事とグラフの数字は、小数点以下を四捨五入しています。
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20代、30代の全員が、「体型維持や美容など見た目の美しさのため」に食事を控えているのが目につきます。
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