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1秒以内にリンク異常を検知し修復する

BFDプロトコルの仕組み

VoIPやストリーミングの接続を維持する新プロトコル

2005年4月12日更新
EthernetなどのIPネットワークは、障害を検知して修復するという作業を1秒以内に行うような設計がされていない。しかし、これではVoIPやストリーミングのような、リアルタイムに連続したパケットを送受信するアプリケーションで使用するのは難しい。「BFD」は、ルータやゲートウェイ機器に組み込むプロトコルで、エッジ間でパケットをやり取りすることで、リンクに障害が起きていないかを監視する。接続性を維持する新プロトコルの仕組みを見ていこう。
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リアルタイム性の高いアプリケーションでは
1秒以内に障害を検知し修復する機能が必須

 VoIP(Voice over IP)のようなリアルタイムアプリケーションには、障害の発見や修復において迅速な対応が必要となる。しかし、現在のIPネットワークで使用されているルーティングインフラストラクチャは、1秒以内に障害を検知して修復するよう設計されていない。

 これを補完するのが、IETF(Internet Engineering Task Force)のドラフト標準の「BFD(Bidirectional Forwarding Detection)」プロトコルだ。シンプルかつ負荷のかからない抽象化方法を用いて、リンクや転送状況などを従来よりも速く検知する仕様となっている。

ルータなどの制御領域に組み込み
転送パケットの到着の有無で障害を判断

 BFDは、基本的な伝送技術を抽象化したものである。Ethernetネットワークはもちろん、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)のLSP(Label Switched Path)、GRE(Generic Routing Encapsulation)やIPsecトンネル、その他ほぼすべてのデータ転送の信頼性をチェックすることが可能だ。

 BFDのコア部分では、スタンドアロンで動作する高速な「Hello」プロトコルが使用されている。OSPF(Open Shortest Path First)やIS-IS(Intermediate System-to-Intermediate System)などのルーティングプロトコルと同様に、リンク、インタフェース、トンネル、ルータ、その他ネットワーク転送用コンポーネントと連係する。

 BFDを利用してシステム間の接続性を維持する仕組みは、こうだ。まず、システムどうしでピア接続を確立する。それから、事前に取り決めた転送速度に従って送られてくるBFDパケットのフローを監視する。送られてくるパケットの精査にかかる時間は、1ミリ秒以内だ。もしも、あらかじめ設定された任意の量のパケットを受信できなかったとする。このとき、BFDはピア接続されたシステム間に障害が発生したと判断するのだ。

 こうした障害の修正は、BFDがルータやその他システムの制御領域に組み込まれることから、2つの方法が可能となる。1つは、転送領域で修正するというもの。これは、MPLSのFRR(Fast ReRoute)機能と同じ仕組みである。もう1つは、制御領域で修復するというもの。これは、ルーティングプロトコルの実行速度を上げるときなどに実施される。

ネットワークの障害を検知して
別の経路に接続を切り替えることも可能

 BFDの最大のメリットは、単純なプロトコルであることだ。そのため、転送障害を検知するのに十分なソリューションを備えていないアプリケーションなどに組み込みやすい。例えば、Ethernetのスイッチドネットワーク上でIPコアに接続されているようなVoIPメディアゲートウェイのアプリケーションを考えてみよう。

 このようなアプリケーションにおける障害検知では、2つの問題がある。

●現在のVoIPメディアゲートウェイは、IP層でピア接続を確立することができない。そのため、IPエッジルータ間に生じた障害をネットワークから検知できない

●VoIPネットワークの高可用性を維持するには、リンク障害を迅速に検知することが重要だ。しかし、Ethernetはスイッチドネットワークの一部に障害が生じたことをホストやルータに通知する手段を持たない。そのため、ホストとルータの間にスイッチがあると、検知するのが難しくなってしまう

 こうしたVoIPメディアゲートウェイのプラットフォームにBFDを組み込めば、ゲートウェイとエッジルータ間の接続を管理できる。まず、経路の途中にあるEthernetセグメントに障害が生じると、BFDはこれを検知する(図1)。障害が認識されると、すべてのルーティング/転送/トンネリングシステムにおいて、BFDの問題解決メカニズムが作動する。これにより、例えばゲートウェイやルータの経路を冗長化されたパスに切り替えるといった処理が可能となるのだ。

図1● VoIPメディアゲートウェイなどにBFDプロトコルを搭載すれば、経路に障害が発生しても即座に検知し、ほかの経路に切り替えることができる

 BFDは、シンプルかつ抽象的な挙動をとるよう設計されているので、転送障害を可能なかぎり高速で検知することが可能だ。つまり、音声や映像、そのほかの高負荷サービスにおいて高速な転送サービスを実現するのに適していると言える。BFDのようなプロトコルを利用すれば、サービスプロバイダーはVoIPといったIP経由のリアルタイムサービスを、ユーザーが求める信頼性と可用性を維持しながら提供できるようになるだろう。

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