ワイヤスピードのフレームを
すべて処理するできるかでわかる
前回に引き続き、スイッチの処理性能を判断する基準について解説する。今回は、ノンブロッキングの意味を説明しよう。
100Mbpsのワイヤスピードとは、1秒間あたりのフレーム数が14万8,810ppsあることになる。そのワイヤスピードで全ポートにフレームが送信されると、スイッチには最大限の負荷がかかってしまう。そんな状態でも、遅延することなくフレームすべてを転送できることを「ノンブロッキング」と呼ぶ。具体的には、あるスイッチのスイッチング能力に対して次の式が成立すればノンブロッキングとなる。この式を満たせないスイッチは、すべてのフレームを処理しきれなくなる。この状況を「ブロッキング」と呼ぶ。
ポート数×ワイヤスピード≦スイッチング能力
例えば、100Mbpsのポートを24個搭載するスイッチがあるとしよう。この場合、次の数値以上であれば、ノンブロッキングとなる。
24×148810≒3.6Mpps
ノンブロッキングであれば、理論上の最大負荷を処理できることが保証される。しかし、どんな状況においても必ずノンブロッキングが必要というわけではない。実際、ワイヤスピードでパケットが転送されつづけることはかなり稀なケースだ。よって、ネットワークの規模が小さく、それほどスイッチに負荷がかからない環境であれば、ブロッキングのスイッチでも十分対応できる。
最大データ容量を想定して
スイッチ容量を割り出す
となると、フレームを流すための帯域幅であるスイッチング容量は、どれだけあれば十分なのだろうか。スイッチ内部に流れるデータが最大になるケースを考えてみよう。それは、すべてのポートが全2重通信を行うときとなる。とういことは、この最大のデータ容量をサポートできるかどうかが、スイッチの処理性能を知る上で重要なポイントとなるわけだ。例えば、24ポートの100BASE-TXスイッチであれば、最大のデータ容量は次のとおりとなる。
12×2×100=2.4Gbps
これは、転送を行うポートの組が12組あり、その12組それぞれが100Mbpsの全2重通信を行うという計算だ。この場合、スイッチング容量が2.4Gbpsよりも大きければ、すべてのデータを同時に転送することが可能となるわけだ。
もっとも、すべてのポートが同時に通信ができるだけのスイッチング容量が必要というわけではない。ネットワークの規模によっては、スイッチング容量が小さくてもトラフィックを十分に処理できる。その見極めは、日頃からネットワーク上を流れるトラフィックを正確に把握しておくことが必要だ。
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