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ビギナーのためのネットワークの基礎講座

一流管理者への第一歩
エラー報告プロトコルICMPを学ぶ

第5回 最適な送信経路を探せ

2006年9月21日更新
IP通信を円滑に行うためのICMP(Internet Control Message Protocol)。本講座では、ICMPでどのようにIP通信が制御されているかを解説し、ネットワーク管理者としての基礎力向上を目指す。第5回は、ICMPタイプ5のリダイレクトメッセージについて説明する。

第1回 IPの信頼性を補完するICMP

第2回 PINGの仕組み

第3回 トラブル解析に使える到達不能メッセージ

第4回 送信元抑制でパケット転送を制御せよ

第5回 最適な送信経路を探せ

第6回 時間超過メッセージで経路を確認

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最適な経路を探す
リダイレクトメッセージ

 コンピュータのデフォルトゲートウェイの設定によっては、目的のネットワークまでの経路が最適ではないこともある。そのような場合、ICMPタイプ5のリダイレクトメッセージはよりよい経路を通知することができる。例えば、10.0.0.0/8のネットワークにはルータA、ルータB、デフォルトゲートウェイにルータAのIPアドレスが設定されたコンピュータ(10.0.0.1)が接続されており、ルータAの先には20.0.0.0/8のネットワークが、ルータBの先には30.0.0.0/8のネットワークがあるとする(図1)。

図1● 10.0.0.0/8のネットワークにコンピュータ1台と、ルータA、ルータBが接続されている

 30.0.0.0/8のネットワークには、30.0.0.1のIPアドレスを持つサーバがあり、ルータAとルータBにはスタティックルーティングまたはダイナミックルーティングが設定されている。なお、ルータAのルーティングテーブルは、表1のとおりだ。

表1● ルータAのルーティングテーブル

 このとき、クライアントがサーバと通信したいとする。サーバはクライアントとは異なるネットワークにいるため、クライアントはまずデフォルトゲートウェイ、つまるルータAにパケットを送信する。サーバは30.0.0.0/8のネットワークにいるため、本当はルータAよりもルータBに送るほうがよいのだが、クライアントはどのようなネットワーク構成になっているかを知らないため、設定されているデフォルトゲートウェイにパケットを送信する。

 ルータAは受信したパケットの送信先アドレスを見て、ルーティングテーブルと照合する。このとき、30.0.0.0/8はネクストホップがルータBで、E0インタフェースから送信すればよいことがわかる。こうしてルータAはパケットをルータBに中継する。

 しかし、この作業ではルータAへの負荷やネットワークの利用率から考えて、非常に無駄が多い。そこで登場するのが、ICMPタイプ5のリダイレクトメッセージだ。

ネットワーク構成を通知するため
無効にするネットワークも

 ICMPリダイレクトが出される条件は、パケットが入ってきたインタフェースに再び出力するときだ。今回の例で説明すると、ルータAがパケットを受信してルータBが最適なルートであることを判断した際に、「30.0.0.1に送信する場合はルータBに送信」することをコンピュータに通知する(図2)。

図2● ICMPタイプのリダイレクトメッセージで、ルータBの経路の方が最適であることをルータAがコンピュータに通知する

 リダイレクトメッセージを受信したコンピュータは、自分のルーティングテーブルに経路情報を追加し、以降は効率のよいルータB経由でパケットを送信するようになるのだ。もっとも、リダイレクトメッセージはネットワーク構成を知らせるものとして、最近ではセキュリティ上、無効にしているネットワークも多い。

(C) Office N-Study http://www.n-study.com/

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