軽いパケットで
セキュリティやモビリティに対応
IPv4とIPv6の違いを、もう少し詳しく見てみよう。例えばヘッダにおいて、IPv6ヘッダはIPv4ヘッダ(図1)よりもサイズ自体は大きくなっているが、オプションを含まなければヘッダに含まれるフィールドが12個から8個に減っている(図2)。
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図1● IPv4のヘッダフォーマット |
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図2● IPv6のヘッダフォーマット |
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処理すべきフィールドの数が少ない分、ルータやスイッチがIPv6パケットを処理するために要するCPUサイクルも少なくなり、ネットワークのパフォーマンス向上が期待できるということだ。
モビリティやセキュリティが向上していることも、大きな特徴だろう。モビリティとは、ノートブックPCや携帯電話など、ネットワークに接続している端末が移動しても透過的にネットワークへのアクセスを提供する機能のことだ。IPv4でもMobile IPというプロトコルでモビリティを実現できるが、Mobile IPでは複雑な処理が必要となる。しかし、IPv6ではプロトコル自体にMobile IPの機能が組み込まれているので、IPv6の拡張ヘッダを利用することで端末の移動に伴って透過的にネットワークへのアクセスを提供することが可能なのだ。
セキュリティも、IPv4ではIPsecをオプションとして実装するが、IPv6ではIPSecの実装が必須となる。
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