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ビギナーのためのネットワークの基礎講座

基礎技術をきちんと押さえる
TCP/IP理解できていますか?

第4回 TTLで迷子のパケットをなくそう

2005年10月13日更新
基礎中の基礎でありながら、ネットワークを学ぶ者にとっては鬼門ともなるTCP/IP。本講座では「TCP/IPを徹底理解」に引き続き、TCP/IPをていねいに解説していく。第4回は、IPヘッダの「TTL」などを紹介する。

第1回 ブロードキャストアドレス/マルチキャストアドレス

第2回 ARPはEthernetフレームに乗って運ばれる

第3回 IPヘッダの構造を学ぼう!

第4回 TTLで迷子のパケットをなくそう

第5回 ポート番号はTCPヘッダでチェックする

第6回 データ送信の順序はTCPヘッダで知らせる

第7回 通信の確立を支える裏方の「フラグ」とは?

第8回 「ウィンドウサイズ」で通信の効率がアップする!

第9回 マルチメディア通信に最適な「UDP」

第10回 hostsファイルは通信相手の住所録

第11回 インターネットにおける名前解決法とは?

第12回 ホスト名からIPアドレスを求める「逆引き参照」

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TTLで経由するルータを制限
ネットワークの負荷を軽減する

 今回は、前回に説明しなかったIPヘッダの「TTL」以降を詳細に見ていくことにする。まずは、IPヘッダを再度確認しよう(図1)。

図1● IPヘッダの構造。データを送信する先のIPアドレスや、送信元のIPアドレスなどが明記されている

●TTL
 「TTL」は「Time To Live」の略で、パケットの生存時間を表している。ルータのルーティングテーブルの不整合により、パケットがネットワーク内を延々とループしてしまい、ネットワークに負荷をかけないよう、経由するルータの限度を示したものだ。

 例えば、図2を見てみよう。この図では、ルータA、B、Cの3台のルータがあり、ルータAには「10.0.0.0/8」と「20.0.0.0/8」のネットワークが、ルータBには「20.0.0.0/8」と「30.0.0.0/8」のネットワークが、そしてルータCには「30.0.0.0/8」と「40.0.0.0/8」のネットワークが接続されている。

図2● ルータA、B、Cはそれぞれ異なるネットワークとつながっており、ルーティングテーブルに従ってパケットを次のルータに引き渡す

 ルータAに直接接続された「10.0.0.0/8」のネットワークから、ルータCに直接接続された「40.0.0.0/8」のネットワークへ通信を行う場合、ルータAとルータCの間にいるルータBのルーティングテーブルには、ルータCが持つ「40.0.0.0/8」へパケットを送るという情報が入っているはずだ。よって、ルータAは「40.0.0.0/8」宛てのパケットが来ると、ルータBにパケットを送信する。

 しかし、図2のように、受け取ったルータBのルーティングテーブルには「40.0.0.0/8」へのルーティング先としてルータAが設定されている。これでは、ルータAはまたルータBに、ルータBからルータAにと、パケットは両者の間をループしてしまい、ネットワークに大きな負荷を与えてしまう。

 こうした負荷を軽減するのが、TTLだ。TTLに設定された値は、ルータを経由するたびに1つずつ減り、0になるとパケットは破棄される。つまり、パケットが行き場を失ってループ状態に入っても、0になれば破棄されるということだ。

プロトコルを識別する情報や
エラーをチェックする情報も入っている

 では、IPヘッダの構造の残りを見ていこう。

●プロトコル番号
 「プロトコル番号」とは、上位のプロトコルが何かを識別するための番号だ。IPの上位層であるトランスポート層には、「TCP」および「UDP」がある。プロトコル番号で、どちらにデータを渡せばよいかを識別する。TCPであれば「6」が、UDPであれば「17」という値が入る。

●ヘッダチェックサム
 「ヘッダチェックサム」は、IPヘッダのエラーがないかどうかを調べるための情報だ。TCPおよびUDPでも同様の情報をヘッダに埋め込まれている。

●送信元IPアドレス・宛先IPアドレス
 これは、読んで字のごとく、データを送信したコンピュータのIPアドレスと、データの宛先のIPアドレスだ。ルータは、宛先IPアドレスとルーティングテーブルを見ながら、ルーティングを行っている。

●オプション
 これは、まだIPを開発している実験段階で、さまざまな情報を追加するために使用していた部分だ。現在はほとんど使われることがない。

(C) Office N-Study http://www.n-study.com/

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