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ビギナーのためのネットワークの基礎講座

最も身近なネットワーク
LANの技術を知ろう!

第8回 Ethernetのフレームサイズ

2005年7月14日更新
地理的に狭い範囲のネットワークのことを「LAN(Local Area Network)」と呼ぶ。社内LANや家庭内LANなど身近に存在しており、最もよく利用するインフラの1つと言えるだろう。ここでは、LANを構成するためのテクノロジーについて解説する。第8回では、Ethernetのフレームサイズが64バイト以上であることの理由について解説する。

第1回 LAN(Local Area Network)の構成要素

第2回 トポロジー、媒体アクセス、MACアドレス

第3回 CSMA/CD

第4回 Ethernetのフレームフォーマット

第5回 Ethernet規格

第6回 UTPケーブル

第7回 10BASE-T、100BASE-TXのカスケード接続

第8回 Ethernetのフレームサイズ

第9回 全2重通信/半2重通信

第10回 オートネゴシエーション

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Ethernetの
フレームサイズの最小値

 Ethernetのフレームサイズは、64バイト以上と規定されている。この最小値は、衝突を正確に検出するために決められている。

 Ethernetの媒体アクセス制御方式はCSMA/CDである。この方式では、最悪の条件下ですべての端末が衝突(コリジョン)を検出できなければならない。この「最悪な条件」とは、最も離れた2台の端末間での通信を意味する。10BASE-Tでは、4台のハブを経由し、かつ各ケーブルが100メートルのときが最悪の条件となる(図1)。

図1● 10BASE-Tにおける最悪の条件。言い換えれば、10BASE-Tで通信できる限界条件である

 コンピュータAからコンピュータBにフレームを送信することを考えよう。ケーブル内では、電気信号が高速に伝わっていくが、当然幾らかの時間がかかる。

 Aがフレームを送信し始めて、Bに届くぎりぎりの時間にBがフレームを送信すると、衝突が発生する。衝突が起きると、Bはすぐに衝突を検出できる。Bは、衝突を検出したあともしばらくフレームの送信を続けて、衝突が起きたことをほかの端末に伝える。これを「ジャム信号」と呼ぶ。ジャム信号が届かないと、Aは衝突を検出することができない。

 つまり、最悪の条件下で正常に衝突を検出するためには、「最も遠い端末にフレームが到達する時間」+「衝突が起きた場合のジャム信号が戻ってくる時間」が必要となる。この時間を「スロット時間」と呼び、Ethernetではネットワークの最大長と信号速度を考えて、512ビット時間としている。

 ビット時間とは、あるビットを伝送できる時間を示している。例えば、10Mbpsの場合、512ビット伝送するためには、次のような時間が算出できる。

512(ビット)/10,000,000(ビット/秒)
=0.0000512(秒)
=51.2(マイクロ秒)

 また、512ビット=64バイトなので、最悪の条件下で正しく衝突を検出するためには、少なくとも64バイト必要になる。このような理由で、Ethernetのフレームサイズの最小値は64バイトと定められているのだ。

 FastEthernet(100BASE-TX)では、10BASE-Tと互換性を保つために最小フレームサイズを64バイトとしている。スロット時間も同じく512ビット時間である。512ビット時間は、100Mbpsでは5.12マイクロ秒となる。つまり、衝突を検出するための制限が厳しくなっている。そのため、ハブのカスケード台数は2台までと、10BASE-Tよりも厳しくなっている。

衝突の起きる
フレーム送出のタイミングとは?

 一般的には、「CSMA/CDで複数の端末が同時にフレームを送信すると衝突が発生する」と言われる。しかし、この「同時」とはどの程度のタイミングなのだろうか。完全に同時というのはありえない。必ずタイムラグが発生するはずだ。

 CSMA/CDで衝突が起きるタイミングは、「スロット時間の半分」である。つまり、10BASE-Tである端末がフレームを送信してからスロット時間の半分、つまり25.6マイクロ秒以内にほかの端末がフレームを送信すると衝突が発生する。100BASE-TXでは、2.56マイクロ秒以内となる。

(C) Office N-Study http://www.n-study.com/

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