喫煙禁止区域内を巡回、違反者に目を光らせる市職員ら=芦屋市船戸町
「市民マナー条例」に基づき、芦屋市が県内初の路上喫煙に対する反則金(過料二千円)徴収を始めて一カ月が過ぎた。市は「条例は少しずつ浸透していると思う」とするが、これまでに反則金の支払いに応じた違反者は一日の二人を含めわずか五人。違反を指摘されながら無視して立ち去る者が大半という。また、“摘発”回避のためか、禁止区域境界では、たばこのポイ捨てが増えるなど新たな課題も浮上している。(小川 晶)
同条例は六月一日に施行。JR芦屋駅周辺を喫煙禁止区域に指定し、三カ月の準備期間を経て、九月一日に反則金の徴収を始めた。市環境課の職員と、市が委託した警備会社の社員が区域内をパトロール。喫煙者を見つけると、喫煙禁止区域であることを説明、その場で反則金を徴収できる。
ところが、実際には「市外から来て(条例を)知らなかった」などと支払いに応じない違反者がほとんど。職員らの注意を無視して、携帯電話で話し続け立ち去った者もいたらしい。
市のマニュアルでは、職員らを振り切ろうとする違反者には、五十メートル程度、並んで歩き注意を続けるよう定めているが、「違反者とトラブルは避けたい」と「深追い」しないよう指示しているという。
一方、禁止区域を設けたことで新たな問題も。歩きたばこを見つかるのを恐れ、区域に入ったところで慌てて投げ捨てるのか、境界付近の路上にはたばこの吸い殻が目立つ。灰皿設置も考えたという市だが、「歩きたばこの助長につながる」と今は静観。有効な対策がないか頭を抱えている。
ただ、「パトロールする職員を見た途端、たばこの火を消す人も増えた」(担当者)と反則金効果も。「条例が着実に浸透してきている。今後は違反により厳しく対応していきたい」と話している。