東京都知事選は22日、告示され、3選を目指す現職石原慎太郎氏(74)、いずれも新人の前宮城県知事浅野史郎氏(59)、元足立区長吉田万三氏(59)=共産推薦、諸派の建築家黒川紀章氏(73)、無所属新人のタレント桜金造氏(50)、発明家ドクター・中松氏(78)らが届け出を済ませた。守る現職の石原氏がおわびで選挙戦をスタートさせれば、攻める新人候補は石原批判を繰り広げた。
石原氏の初日は“謝罪行脚”となった。JR立川駅での第一声には4000人が集まる相変わらずの人気ぶり。だが、「都政の私物化」との批判にスタートから頭を下げた。
「父の最後の選挙になる」と気合を入れた司会の長男・伸晃衆院議員からマイクを受けた石原氏だったが、“慎太郎節”のボルテージは上がらずじまい。
都の若手芸術家支援事業で四男・延啓氏に多額の公費が支払われ、自身の度重なる海外出張には2億円以上の“血税”を投入されたことで、「都政の私物化」と批判されていることについては「何度もアメリカに行ったが、その旅行がぜいたくとか言われて。説明が足りなかったと反省してます」と早口で謝罪した。
それでも、出張の成果を強調すると「不正なことは一切、してない」と胸を張った。
浅野氏をはじめとする“石原包囲網”が敷かれた選挙戦。「思わぬ苦戦を強いられています」と、らしからぬ弱音も飛び出した。が「これまでの(8年間の)結果を見てもらえればわかる」と必死に呼びかけた。
続いて行った有楽町での演説では、神奈川県知事選で再選を目指す松沢成文氏、埼玉県の上田清知事が助っ人として登場。「これからも国とケンカする。議員経験ある3人で国に盾突いて、やる時はやる!」と最後はようやく語気を強め、大歓声を浴びた。
選対関係者によれば、逆風の中にあるだけに「切れるな。感情的になるな、ニコニコしろ」が陣営の方針。過去2度の都知事選で応援演説に駆けつけた石原軍団の投入も今回は減らす方針。自身“最後の選挙”は8年間の実績を前面に出して戦うという。