米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長は4日、過去最大に膨らんでいる米経常赤字について「米経済の弾力性が増しており、経済活動全体に大きな影響を与えずに調整を促せる」と述べ、将来の削減に楽観的な見通しを示した。主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)出席のため滞在中のロンドンで講演した。
同議長は、「米国の歳出抑制に向けた声が高まっている」と、財政再建に向けたブッシュ政権の最近の姿勢を評価。急激なドル安を伴わずに経常赤字の調整が図れる可能性を示唆。一時1ドル=135円台だった02年からのドル下落にもかかわらず米貿易赤字が拡大したことについては、米国の相対的な成長率の高さや原油高などを要因として指摘した。
同議長は04年11月中旬の講演で、巨額の米経常赤字について「どこかの時点でドル資産への投資意欲は減退せざるを得ない」と発言。市場はドル安容認と受け止め、その後円相場は4年11カ月ぶりに1ドル=101円台まで上昇した。今回の発言は、2日の一般教書演説でブッシュ大統領が示した歳出抑制姿勢を背景に「双子の赤字」批判のトーンを抑えた形だ。
(02/05 10:15)
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