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【〈コラム〉経済気象台】
 
日本人の忘れ物

 今年は乙酉(きのと・とり)。年末になると、大阪の地方銀行頭取を務めたK氏の卜(ぼく)した「干支(えと)物語」が送られてくる。K氏は経済人だが、なかなかの文化人でもある。それだけに、これを心待ちにしているファンが多い。

 その要旨を紹介すると、今年は「乙時酉醸(おつときゆうじょう)の年」ということである。「昨年はかたい甲を破って新芽が伸びてきたが、今年は乙の字のように、上がつかえて曲がり、酉の字のように千鳥足で心もとない年」。それでも「洒落(しゃれ)て気がきく、乙なときをつかみ、ゆっくりと夢を醸しだす」と卜しておられる。果たして、どんな乙な時を迎えられるか、期待したい。

 ところで、この3月、愛知万博が開幕する。万博は国際的な経済、文化の祭典であり、新技術、新産業の実験場でもある。今回の呼び物の一つはロボット。各社、研究の成果を披露し、多くの関心を呼ぶものと思われる。

 ニュースなどで見る限り、動作はますます人間へ近づいているように感じる。これに対し、マニュアル化した人間はますますロボット化しているように思えてならない。ロボットの人間化、人間のロボット化が進みつつあることが、今日の日本の底流にあるのではないか。

 こんな話をすると、友人の学者が「経営学ではヒト・モノ・カネは経営の重要な要素というが、いつの間にかモノ・カネが重視され、ヒトは消えてしまった」と、はき捨てるように言った。

 確かに、そういえばコストパフォーマンスには極めて積極的だが、ヒトについてはリストラのほか、契約社員、派遣業に依存する体制に多くの企業が切り替えている。ヒト社会は覇気がなくなってきた。

 壮大な実践的教育機関である企業社会が人間力を軽視すると、将来を担う人材が育ちにくい。ヒトが従では、企業経営も長期的に支障をきたす。新年は、夢を醸しだす年にするため、人間力を見直してもらいたい。(共生) (01/28)




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